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緊急事態はまだ終わらないよ・・・

今回も短いです。

それは偶然の発見でした。

知らなければ何事もなく日常を過ごすことができることだったのに、ああ・・・

なぜ、私はこのことを知ってしまったのでしょう。

こんなことになるのなら、午前中のショッピングを早めに切り上げて目的の合流地点に向かえばよかったのに・・・


しかし、そんな後悔をいまさらしても仕方がありません。

だから私はこの件をこれから向かうYHの砂浜にいる現役ヒーローに託そうと思います。

まぁ心配だから私も付き添い生ますけどね。


                               by 高町 かおる


それはある日の午後。

私は娘の夏休みに家族で旅行に来ています。

場所は個人情報なので秘密ですが、施設は娘がヒーローをしているので格安で泊まれるお宿です。

家計に優しく大助かりです。

さすが私の娘! えらい!!

まだまだ新米の娘ですがこの前、非公式ではありますがスーパーマンジュニアを撃退したそうで実力的には年齢を遥かに超えるという話を聞きますが私からすればまだまだあの程度で喜んではいけません。


私が娘と同い年だった時はそれはもう八面六臂の大活躍でしたよ。

最終的に100達近い怪人の襲来によってスーパーマンジュニアには逃げられたみたいだけど、私が現役だったなら・・・・

いえ、娘にそんな危ないことはさせられないは・・・

魔力ちからがある故にヒーロー業をしているけれど私も娘もただの魔女と魔法少女なのよ。

100体の怪人相手にそんな肉迫した死闘は演じてなんていられないわ。


話がそれてしまったね。

ともかく、家族旅行に来ている私達なんですが昨日、急に娘に協会からメールで連絡があって「新人ヒーローさんとの顔合わせをしていただけないでしょうか? 予定としては明日のお昼なんですがダメですかね? バーベキューを一緒にしようというお誘いでもあるのですが・・・」という腰の低い話し方を娘にしていただいたのですが、私は即座に返信を返して差し上げましたわ。

ええ、それは丁寧にお断りしました。


実際の返信内容『家族水入らずの旅行中にメールなんて送ってくるんじゃね~よ。このハゲが!!』


そしたら、数分後に同じような内容のメールをなぜか今度は夫に・・・

夫は「バーベキューか~・・・ 外での食事って最近はやってないなぁ~・・・ 学生時代はアウトドアが好きだったのに最近は仕事が忙しくて・・・ それにヒーロー同士の顔合わせなら出た方が娘の為にもなるよね。 芳、この誘いに乗っちゃダメかな?」と夫は私に懇願するような瞳でこちらを見てそう言ってきましたわ。

ええ、それはもう30を超えたおっさんなのですがなぜでしょう。

その瞳はまるで子犬のように可愛くて・・・


「もちろん。私も大賛成よ♪」


と二つ返事の私。

今度、娘の担当さんには地獄を見ていただきますわ♪

オホホホホ!


とまぁそんな微笑ましい一幕があったのは昨日の夜のお話で今日は朝から家族でショッピングをしてお昼に待ち合わせであるYHの砂浜でバーベキューをしに向かっていました。

少しショッピングに時間をかけすぎてしまいましたが、まぁこれは御愛嬌でしょう。

そんなこんなで車で砂浜の近くに向かい、駐車場から砂浜に向けて歩いていた時のことでした。

この時、ふと海を見ると「綺麗だな」と思うような青く透き通った海に白い雲と美しい砂浜、そしてそれらを明るく照らす太陽が同時に映る最高の景色が見えましたわ。


(ああ、海に来てよかったな・・・)


そう思うぐらい素敵な景色でしたわ。


「良い景色だね。」


「わ~! きれ~い・・・!」


夫と娘もきっと同じ景色を見ているのでしょう。

そんな言葉が聞こえてきましたわ。

ただ、問題だったのはこの後に夫が見つけたある二人組でしたは・・・


「見てごらん。あそこにこの景色にお似合いのカップルがいるよ。いや~。なんだか昔の僕達を思い出すね。」


夫はそう言って砂浜にいるある一組の男女を指さしましたの。

それは真夏の砂浜で愛を語り合う灼熱の太陽にも負けないアツアツなカップルだしたわ・・・


その正体が元戦国戦隊ゲコクジョウジャーのレッドとホワイトでさえなければ・・・


(な・・・! なぜ、あの二人がここに?! いえ、それ以前にあの二人って破局したはずじゃ!!)


私はあまりの出来事に困惑して手に持っていた荷物を落としてしまっていた。

それを見た夫が「大丈夫かい?」と心配そうに声をかけてくる。

私はその言葉を聞いて自分が手荷物を落としたことに気づいたのだが、あまりの衝撃に声が出ず無言で荷物を拾い上げようとする。


「ああ、大丈夫。僕が持つよ。きっと暑さのせいで疲れているんだろう。少し休もうか?」


優しい夫はそう言って地面に落ちた荷物を拾って道端のベンチを指さした。


「いえ、大丈夫です。早くいきましょう。」


私は早くこの場を離れたくてそう促した。

だって、戦国戦隊ゲコクジョウジャーのレッドとホワイトって付き合っては破局を繰り返していることで有名な二人よ?

『何かある。いや、これから何かが起こる。』

私の女の勘がそう告げている。

しかもそれは以前ニュースになった『遊園地でヒーローが喧嘩!! ~二股男の末路~』より酷いものとなることは目に見えている。


(せっかくの家族旅行が悲劇の最後でジ・エンドなんてシャレにならないわ・・・)


旅行というものは最後の瞬間、帰りの時間というもんが一番大事だ。

途中の失敗や最初の方でこけても最後で良い事があれば笑い話にできる。

でも、最後でもし失敗すればそれは旅行の感想となる。

美しかった光景も楽しかった時間もすべてが黒く塗りつぶされる。


(お願い! 私達が帰るまでは事件は起きないで!!)


私は切実な願いを胸に秘めて砂浜に向かった。


そして、砂浜につくと挨拶を適当に済ませてこの事実を他のヒーロー達に告げた。

無論、夫と娘には心配をかけないためにこのことは伏せてある。


「これは・・・ 嵐の予感がしますね・・・」


ブレザーハートの黒条ちゃんはそう言って皆に警戒を促す。

あなたはよくわかっているようね。

そして、それに示し合せる様に頷くブレザーハートの面々の顔つきは戦いの前の戦士の様だわ。

この子達はどうやら事態の深刻さが判っているようね。


「へ~。あの二人より戻したんだ。じゃ、またゲコクジョウジャー復活かな?」


呑気にそんなことを言う智坂ちゃん。

新米ヒーローの智坂ちゃんはどうやら何もわかっていないようね。

リサーチ不足よ!リサーチ不足!

サポートメンバーさん達の能力不足何じゃないかしら?


「いや、晶君これは異常事態なんだよ。後で詳しく情報を教えよう。」


あら、そう思ったら上伊集院ちゃんだったかしら?

この子はどうやら事情を把握しているようね。

感心感心。


「レッドさんって確か事件の後に入院したはずじゃ・・・ それでも、ホワイトさんと付き合うってレッドさんはドMなのかな? そして、ホワイトさんも良く付き合うことにしましたよね・・・ ドSなのかな・・・」


智坂ちゃんの叔父である一般人Nはそう言って不思議そうに首を傾げる。

まぁ確かにそういう感想に至るわよね。

でもね。

男と女の間にはあなたみたいなチェリーボーイには分からない難しい問題が多々あるのよ。

例え男が屑で無能でも、惚れてしまうとそれはドツボにはまる理由になる。

恋や恋愛ってのはあなたが考えているほど短絡的な物じゃなく複雑怪奇なのよ。

あと、確かにあの二人がSとMならベッドでの相性は抜群でしょうね。

かくいう私もベッドの上では・・・ ゲフンゲフン


ともかく、こうして私は元戦国戦隊ゲコクジョウジャーのレッドとホワイトのことを現役ヒーローに託して家族との楽しい旅行に戻ったわ。

え、娘には伝えないのかって?

家族旅行に水を差す様な真似はできないわ。

だって家族旅行なんて久しぶりなんですもの!(半年に一回のペースでは行っております。)


高町芳さんは高町香の母です。

戦国戦隊ゲコクジョウジャーのゲコクジョウジャーの部分は「下剋上じゃー!」と言う感じのこれからやってやるぞ!といった感じの発音です。

無駄なあとがき、ごめんなさい。

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