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緊急事態?!

いつもより短いです。3000文字ぐらい?

区切りがいいのでいいかなと思って投稿してます。

それは突如としてやってきた。

修行のために協会の合宿施設を借りた私達に訪れた一本の電話。

内容はこうだった。


「智坂さんの護衛が決定したんですが、その方が新人でしてね~。何かあった時のために現場のヒーローと夏休み中にコミュニケーションを取りたいとのことで明日そちらに窺うそうです。護衛対象の智坂さんを連れて昼頃には着くんじゃないですかね~って話ですので。まぁ、そういうことですので一度会ってやってください。お昼休みの時なら修行の邪魔にはならないでしょうからこちらからは了解の意を返しておきました☆ 場所と時間はメールで送っときます♪ アデゥ~!」


プー・・・ プー・・・


何とも軽い口調で話して電話を切る私達の担当協会員さん。

確かにお昼休みに来てくれれば食事中に会話をして最低限のコミュニケーションを取ることはできるだろう。

しかし、問題はそこではない。

問題は『護衛対象の智坂さんを連れて』の部分だ。

それはつまり、智坂さんと一緒の昼食会ということだ。


ドドドドドドドド!!


私達は一斉に駆け出して洗面所に立つ。

合宿施設なので洗面台は大きく10人以上で使用できるので喧嘩することなく私達は一列に並んで洗面台に立つと鏡で自分の顔を見た。

ここ数日間、実践的で厳しい訓練の日々が続いたからだろう。

顔にはそれほど目立つわけではないが傷があり、眼の下にはクマができている。

肌も荒れているし、髪の毛なんてキューティクルが抜け落ちている。


ピロピロロロ~ン

あ~の日~見~た 世界は~

ポロ~ン ポロ~ン

ブブブ ブブブ

お~かき~ た~べた~いなぁ~!!


一斉に届いたメールの着信音を消してメールを開くとそこには・・・


『明日の昼12時にYHの砂浜でバーベキューだそうで~す☆ いや~羨ましいなぁ~♪ 僕もみんなの水着姿が見たかったなぁ・・・orz 写メ送ってくれてもいいですよ☆キャピ☆』


ふざけているのだろうか・・・

相変わらず軽いお調子者な担当協会員さんだが今回ばかりはただただ腹立たしい。

メキメキと麗が携帯を握りつぶさんばかりにメールに対する怒りを顕わにする。

麗は担当協会員さんと初めて会った時にナンパされて以来、協会員さんのことが嫌いだ。

大卒の協会員さんが麗を大卒かOLと勘違いしてナンパしなければこんなことには・・・

いや、過去を振り返っても仕方がない。

今はやれることをしなければ、メールには続きがあり新ヒーローさんの顔写真に名前、簡単なプロフィールとその人を応援する組織の人達の顔写真と名前が書かれている。


「これは・・・」


「ええ、かなりの団体さんですね・・・」


写真とプロフィールから新ヒーローや組織のリーダーは女性の様だが、戦闘要員だけでも20人以上、サブメンバーも含めれば50人を超える団体さんだ。

当然、男の人も結構いるわけで・・・

厳しい訓練を耐え忍んだ体は以前より逞しくなっているがそれはつまり筋肉がついているということで・・・

あまり人に見せたくない者なわけで・・・


「み、水着着るの・・・・?」


橙子がこの世の終わりの様な声を上げてへたり込む。

その光景に全員の視線が橙子に集まるが誰も彼女に声をかけないし、助け起こそうともしない。

それはそうだろう。

橙子は自分では隠しているつもりだろうが周りから見て智坂さんを慕っているのは目に見えている。

だからこそ、ほんの数回しか顔を合わせていない智坂さんに美咲のストーカー退治の手伝いを願い出たのだ。


その智坂さんの前で鍛え抜いた体を水着姿で晒す。

おまけに、厳しい訓練のせいで肌は荒れ果て、髪はキューティクルを失い、顔や体には戦いの痕跡がチラチラと見え隠れしている。

いくら変身を解くと変身中の怪我を修復してくれる能力があるブレザーハートの変身でもその能力が100%発揮されない現状では傷を消しきることはできない。

修行のおかげでやっと50%未満だった力を80%近くまで上げたけれどもまだ全力には程遠い。


「と、ともかく今は髪や肌を何とかするべきではないでしょうか。」


碧がそう言って「へこたれている暇はありませんよ」という風に皆を元気づけようとする。


「そ、そうですわね。今は少しでも見てくれを良くしておかないと・・・」


麗がそういって皆をお風呂場へと誘導する。


「そうですね。先輩として女として最低限の体裁は必要ですよね。」


美咲がそう言って先陣を切ってお風呂場へと向かう。


「いや、その前にお風呂の準備をしないとだめでしょう。」


そんな美咲を深歩が呼び止める。

美咲も「ああ、そうか!」という感じで足を止める。

風呂の準備といっても私達は合宿施設を利用しているお客さんなので別にお風呂を沸かしたり掃除をしたりするわけではない。

ただ、お風呂に入る前に自前で持ってきているシャンプーやリンス、石鹸なども持ってないし着替えも持ってきてはいない。


だが、果たして今からそういったことをして体裁を整えても間に合うのかどうかは微妙だ。

明日の午前中は休息と美容に専念することと水着を買いに行くことに使ったとしても、果たして水着が着れる様な体なのだろうか・・・

無論、ボディビルダーの様にムキムキなわけではないがそれでも人に見せるにはちょっと筋肉がつき過ぎているような・・・

いや、それ以前にあざや傷の心配をされるのではなかろうか・・・

智坂さんにはここに来る前に『ただの旅行』と告げている。

そんな旅行に出かけているだけの私達の体が傷だらけだと知れば心配をかけるかもしれない。

智坂さんは優しいしお人好しだ。

自分の命が狙われている現在の状況で心配をかけるわけにはいかない。


(((((こんな時に体の傷やあざを消しておまけに綺麗になることができる魔法の様な薬でもあれば・・・)))))


今この時、5人の乙女の心が一つになる。

そして、5人の乙女のピンチに一人のヒーローが颯爽と登場する!


「フフフ・・・ どうやら私の出番の様ね!」


どこからともなく現われた一人の乙女?

が名乗りを上げた。


「「「「「あ・・・ あなたは・・・!」」」」」


いきなりの登場に5人の視線が集まり彼女たちはその姿に驚きの声を上げる。

そうそこに立っていたのはヒーロー界のオネェ(♀)で有名だったマダムラフレシア。

その能力は手から出るローションによる美肌効果はシミ、そばかすを消し去りお肌の傷を癒す。

さらに彼女のマッサージは余分な脂肪を燃焼しシェイプアップさせるのみならず女性の理想とする体型へと変身させてくれる。

まさに、女性(正義)の味方である。


彼女の力によって悪に落ちた女性戦闘員や女幹部が改心したことは言うまでもない。

その力を使い現在は正義のヒーローを引退して全国的にエステ店を経営している敏腕社長だ。


「フフフ・・・ 悩める乙女の気配を感じて来てみれば、こんなに可愛い子たちを悩ませるだなんて罪な男もいた物ね・・・」


キリリとした口調と凛とした態度でブレザーハートの5人を見つめるマダムラフレシア


「いえ、別にこれは智坂さんの為なんかじゃ・・・」


「そうです。これは乙女の最低限のたしなみの話であって・・・」


「そ、そうですよ! だいたい、智坂さんにはすでに思い人が・・・!」


「私は幼児体型をどうにかしたいんですが・・・」


「私は胸が大きすぎるのと、歳が若干上に見られるのをどうにかしたいんですが・・・できますか?」


5人のうち3人は言い訳を残り2人は乙女としての悩みをマダムラフレシアに告げる。


「フフフ・・・ わかっているわ!すべてこのマダムラフレシアにお任せなさい!オ~ッホホホホ!」


こうして、マダムラフレシアの力によって彼女たちは翌日水着を着ることができました。


「ちなみに、水着は彼女たちの魅力を最大限引き出す為にこの私が用意したわ!!」


マダムラフレシアは彼女たちに水着を渡した後でどこかに向けて力強くこのことを力説したが、誰に対してなのかは定かではない。

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