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ヒーローになりたい。

更新が遅くなって申し訳ない。

本格的な夏バテで仕事から帰ると頭を動かしたくない。

パソコンの排熱も熱いしね・・・

なんとか誤解を解くことに成功した俺は気まずい夕食を取ることになった。


なにせ、俺だけが能力を持っていないということで悩んでいたというものだったのだ。


気まずくならない訳がない。




「そ、そういえばおじいちゃんとおばあちゃんの能力ってどんなのなんだ?」




晶はこの気まずい雰囲気を変えようとしたのか俺の両親の能力を尋ねる。




「ああ、私の能力はね・・・」




俺の母はそれに乗っかって自身の能力を披露する。


ガラスのコップにお茶を注いで手に持つと中のお茶がドンドン凍っていく。




「へ~、冷却コールド系の能力なんだ。」




晶は感心したように頷く。




「まぁ両手でやってもバケツ一杯の水を凍らせるのがやっとなんだけどね。」




母はそう言って両手を振って感心するほどのものじゃないと説明する。


実際、母の能力は量はバケツ一杯が限度で冷却できる温度も持っているものの温度を30度ほど下げる程度のもので大したことはない。


生物の様に自分である程度の温度調節ができると30度も下げられないし、そもそも大きさ的に容量オーバーなので対人などへの使用などは不可能だ。




「おじいちゃんのは?」




「ワシのか。ワシのはの。」




そう言って父は右手をあげて筋肉でも見せるかのように腕をまくると見えている部分を金属に変化させる。




「あ、私と一緒で変身メタモルフォーゼ系の能力なんだ。」




そう俺の父は体の一部を金属に変化させる。


ただ、問題は金属に変化させるとその部分は動かせなくなる。


おまけに全身は変化させることができない。


特に頭部は変化させると思考が停止するので能力解除キャンセラー系の能力者がいないと使えない。


という欠陥能力だ。




ちなみに俺の姪である晶も変身系の能力なのだが、晶は人としての体系や骨格、身長などを変化させることはできるが人間以外には慣れないし人間以上の存在にも慣れない。(筋力を異常に発達させて人知を超えた怪力をもつことはできない。)


人の枠内での変身能力なので変装などはできるがそれ以上のことは不可能だろう。




夕食が終わり俺は自室に戻る。


お風呂は若い者から順番にが家の方針なので晶からだ。


その次に俺、秋穂姉さん、克兄さん、母、父の順だ。


俺は風呂が開くまでに部屋でネットで調べ物をすることにした。


俺が調査する工場に関する項目を探す。




「兄さんあいたよ~♪」




ネットで調べ物をすること30分、扉越しに晶から声がかかった。


お風呂上りの晶は上機嫌なのか声が弾んでいた。




「わかった。」




俺はパソコンをスリープ状態にして着替えを持って部屋を出て風呂場に向かう。




「お風呂上がったら話の続きしようね。」




晶の部屋の前を通るとまた扉越しに声がかかる。


『話の続き』とは俺の極秘任務のことだろう。


もう半分はバレてしまったから極秘任務ではないのだが、まぁそれはいいだろう。


問題はどうやって晶にその話をあきらめさせるかだが、それは本人がなぜ関わりたいかを聞いてからでもいいだろう。




そう思ってお風呂に入る。


男の裸の説明をされるだなんていやだろうからここは省略させてもらおう。




「姉さんあいたよ~。」




俺はお風呂から上がって秋穂姉さんに開いたことを知らせて声をかける。




「は~い。」




秋穂姉さんから返事が返ってきたことを確認してから俺は自室に戻る。


自室が見える場所まで来ると切っていたはずの部屋の明かりがついていた。




(俺の部屋の電気は切っていったはず・・・)




そう思って怪しんでいると隣の晶の部屋の明かりが消えていた。


どうやら晶は俺の部屋にいるらしい。


スス~と障子を開けると晶が俺の部屋で布団の上でパソコンを起動してアニメを見ていた。


アニメはあの『とある魔術と科学の狭間』だ。




「俺の部屋で待ってなくても・・・」




「いいじゃん。余計な手間が省けるし・・・」




晶はアニメを一時停止してこちらに向き直る。


俺は晶の正面に座りまず一言。




「晶はヒーローになりたいのか?」




「・・・!」




晶は図星を疲れたのかその表情には驚愕が全面に出ている。


俺に「ひーろーになりたいって思ったことがないか」などと聞いて来た時点でそんな予感がしていたのだが、まさか本当にそう思っているとは思わなかった。




「でも、お前の能力じゃな・・・」




俺は能力の話を持ち出して晶を説得しようと話し出したのだが・・・




「待って!」




晶の怒声と手を前に出しての制止にあい言葉を途中で止めることになった。


晶は表情を悟られたくないのか顔を伏せてしまう。




「そのことはちゃんと考えてるっていうか・・・ 実はある人と協力してヒーローになろうとしてるの。


今回の徳兄さんの仕事を手伝わせて欲しいのは私がその人とやっていけるかを確認するためなの。」




晶は顔をあげて上目使いに懇願の表情を向けてくる。


瞳が軽く潤んでいてすごく可愛い。


姪でなければ手を出したいほどだ。




「晶、いつの間にそんなテクニックを・・・ でも、駄目。」




俺は晶の懇願を一顧だにしない。




「え! なんで?!」




泣き落としで俺を攻略できると思っていたのか。


またしても驚きの表情で問いかけてくる。




「目薬の隠し方が甘い。」




そう言って晶の手に握られた目薬がわずかにはみ出ているので指を指して指摘してやる。




「バレてたか・・・」




目薬を放り投げて手放すと両目の涙を拭いて座り直す。




「涙は嘘だけどさっきの話は本当だよ。私はある人と組んでヒーローを目指す。その為の勉強もしてるしね。」




真剣な表情で真っ直ぐにこちらを見つめて意志を示す晶。


その瞳からは嘘は感じ取れない。


寧ろ真剣さがひしひしと伝わってくる。




「晶が本気なのは分かった。でもな、この仕事は俺が極秘にやることなんだ。さっきも言ったが会社の人や家族に知られるとまずいんだよ。ただの会社員が裏で探偵の真似事なんてどう考えてもおかしいだろう?俺は家族に心配をかけたくないし、会社の人達とも変に溝を作りたくない。だから、できるだけこのことは人に知られるわけにはいかない。晶の知り合いにもだ。」




俺も真摯に真剣に瞳を見つめて誠意を伝える。


晶も俺の思いを理解したのか。


少しだけ表情を暗くしてどうすれば俺が納得してくれるのかを考える。




「それにだ晶。俺の仕事は調査までで別に薬を作っている工場に攻撃を仕掛けるわけじゃない。ヒーローってのは悪を倒す正義の味方だ。決して犯罪者や犯罪を捜査する人じゃないよ。そういうのは警察の仕事だからね。」




俺が優しく諭してやると晶はぐうの音も出ないのか顔を伏せてしまう。




(悪いことをしたかな・・・・)




正論を言っただけなのだが晶の情熱と夢への第一歩を阻害してしまったので少しだけ罪悪感。




(でも、姪に手伝ってもらう訳にもいかないしな。)




俺は自分にそう言い聞かせて納得することにした。


実際、晶に手伝ってもらうのは厳しい。


ヒーロー志望の人間を悪の組織の一員たる俺の傍に置くのは正体がバレる危険があるし、他の家族に黙ってそんなことをするのは罪悪感が有り過ぎる。




(ここはこれで納得して引き下がってもらうしかない・・・)




俺は晶を見つめて次の行動や言動を待ちつつ。


自分に考えられる行動や言動に対する反論や対処法を考える。




「・・・わかった。出てく・・・」




晶は自分の中でどうすればいいのかわからなくなったのか顔を伏せたまま部屋を出て行った。




「ふぅ・・・」




溜息を一つついてからうちわを手に取り扇ぐ。


こうして、真夏の夜の一夜は何事もなく過ぎて行った。




(明日は妙な視線を感じた工場の近くを捜索してみるかな・・・)




俺はそんなことを思いながら眠りにつくのだった。








翌日、俺は朝早くから偵察のために工場に向かう。


狙いは昨日下見に行って妙な視線を感じたあの場所付近。




「じゃ、いってきます。」




そういって家を出たのが朝の6時・・・


晶は昨日の話し合いで諦めたのかまだ寝ているだけなのかわからないが姿を見ていない。


俺は晶が諦めてくれていることを信じて出発する。




「おはようございます。」




玄関を出たところで見知らぬ女性に挨拶された。


メガネをかけた髪の長い胸の大きな女性だ。




(偽乳だな・・・)




「おはようございます。」




まぁ挨拶は誰にしても別におかしなことではない。


なので普通に挨拶を返す。


胸をチラリと見て思ったことを顔に出さない。


女性は両腕で胸を押し上げてこちらを妖艶に見つめる。




「ねぇ、少しいいかしら?」




女性は俺に何かアンケートの様な紙をボードに乗せ鉛筆と一緒に差し出してくる。




「アンケートに答えてくれない?」




女性は上目使いに甘えたような声を出して誘惑するようにお願いしてきた。


こんな早朝からそんなことをするのはどう考えても異常だ。


しかも、ここは田舎の周囲を田んぼに囲まれた隣近所がすぐ近くにない場所だ。




(何かの罠か・・・)




俺は注意深く女性を観察する。


女性は差し出したボードで片方の手を隠している。


持っているのは恐らくスタンガン。


俺がアンケートに答えるために手を出した瞬間に襲ってくるつもりなのだろうか。




風貌と歩き方、重心などを観察するに女性は別に武道の心得がある様ではなさそうだった。




(昨日、こちらを観察していた奴らの仲間か・・・?)




「わかりました。」




俺はチャンスが向こうから転がり込んできたと思いアンケートを応えるフリをして逆に捕まえてしまおうと思った。


女性はこちらの思惑に気づいているのかいないのかわからないが俺に平然とアンケートの用紙を乗せたボードを渡す。


俺は手に取ると同時に逆に相手を捕まえようと思い右手でボードを掴みながら左手で死角にある女性の手を掴もうとした。




ビリリ!




だが、俺がボードを掴む前に体に強力な電流が走り俺の意識はそこで途切れるのだった。




「ありがとう。よくやってくれた。」




女はそう言って徳の後ろにいる一人の少女に礼を言う。


少女の年齢は中学生ぐらいで何処かの学校の学生服にルーズソックス、そして頭にはゴーグルをつけている。


どこかのアニメで見たかのような姿だ。




その後、女は電気ショックで意識を失った徳を抱き留めるとその傍に車がやってきて止まった。


そして車から数人の男女が降りてきて徳を車に乗せる。


女と少女も車に乗り込んで走り出す。




そして、どこかのビルに入っていくのだった。






徳が意識を取り戻したのはビルに辿り着いてから一時間後だった。


起きたばかりの状態では意識は靄がかかったような霞がかっており頭痛にめまいがしている。


だんだんと意識がはっきりとしてくるにつれて頭痛もめまいも収まってくる。




(手足は・・・)




紐か何かで固定されているのか動かせそうにはなかった。


俺はどうやら椅子に座らされて手足を拘束されているようだった。




(確か玄関を出たところで誰か見知らぬ女性に声をかけられて・・・ ダメだ・・・)




それからの記憶がない。


おそらくはスタンガンか何かの電気ショックのせいだろう。


それ以上は思い出せそうになかった。




(あんな素人に捕まるなんて・・・)




女性の容姿を思い出して、元軍人としても悪の組織の一員としても情けなくなった。




「起きたようだな。」




そう言って現れたのは先程の女性だった。


後ろには複数人の男女が立っていた。




「これは何の真似だ? 俺に何の様だ?」




拷問か死か。


何をされるのかわからない恐怖に怯えながらも俺は情報漏洩を防ぐためにいつでも舌を噛んで死ぬ覚悟だけはして女に話しかける。

最近思ったが二次創作OKな所を探してそっちに普通に名前出して作った方が楽なのだろうか?

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