突然の襲撃
最近、書く気が失せてきたのか。
執筆速度が遅いですがご容赦を・・・
学業守護戦隊キョウイクジャーとの戦いの後。
俺達は報告書を提出して解散することになった。
すぐにでもあの黄金と白銀の戦士のことを調べたくはあったのだが、下手に近づくと殺されかねないので、それはできなかった。
現在は情報解析部署の人達が過去、現在に存在するすべてのヒーローの情報と俺達の報告書の内容を照らし合わせてどのヒーローなのかを分析している。
(新ヒーローだった場合は、情報なしってことで・・・)
もし、あの黄金と白銀の戦士がニューヒーローだった場合は、特別突入部隊が結成されて相手の名乗りと戦闘データ収集のために戦うことになるだろう。
だが、戦う前から逃げなければならないというあの雰囲気を醸し出す敵と相対して、果たして戦いになるのだろうか?
俺は今回のことでヒーローとの戦いはまだ二戦目の新兵に等しい状態だが、あの初代ライダーマスクやスーパーマンと相対した経験を持っている。
あの二人は引退しているとはいっても、第一線で活躍した最強クラスのヒーローだ。
その二人と相対しても逃げることなく、戦闘や交渉を行ったことのある俺が「逃げ出さなければ」と思ったほどの相手だ・・・
いや、俺のことを抜きにしてもあのフウキグリーンをコテンパンにした浜田さんや怪人であるホースさんですら逃げることに躊躇しなかった。
きっとあの二人はヒーローの中でも群を抜いて強いのだろう。
もしくは、まともじゃない危険なヒーローなのだろう。
俺は支部からの帰り道でこれからのことについて考えると憂鬱になっていた。
今までにない強敵の出現。
戦えば必ず敗北する予感しかしない。
どんな作戦を練ってもどれだけの兵数を用意しても、勝てる気がしない。
「はぁ・・・」
口からは思わずため息が漏れてしまう。
ガス
憂鬱なことを考えて下を向いて歩いていたせいだろうか。
誰かが真横から肩にぶつかってきた。
「おいこらおっさん!」
ぶつかった相手は俺の肩を掴んで俺を強制的に降り迎えせる。
「う・・・」
振り返ると3人ほどの高校生らしき男の子たちが俺を見て悲鳴の様な声を上げる。
気分が落ち込んでいる時の人の眼は案外怖い。
しかも、俺は真剣に悩みながら落ち込んでいるのでさらに恐怖度が増していることだろう。
真剣な人の眼差しは人を射抜く威圧感があるからな。
「テメェ、ぶつかっておいて謝りもなしか!」
男は一瞬怯んだ後に俺に怒鳴りつけてきた。
確かに俺は下を向いて歩いていたが、人とぶつかる様なヘマはそう簡単にしない。
地面についている人の足を見て人にぶつからない様に器用に歩くことなど、戦場帰りの俺には朝飯前だ。
俺から見た景色では友達とふざけながら話をして歩いていた男が冗談を言ってそれに男の内の誰かが突っ込みを入れた際に突き飛ばしたせいで俺の肩に当たったのだ。
俺の方が被害者なのに男はさも俺が悪いように罵声を浴びせてくる。
やがて、黙って何も言わない俺に業を煮やしたのか。
男達は俺を建物の影の人気のない所へと連れ去っていく。
いや、この言い方は正しくないだろう。
俺が無言のまま相手を見つめて挑発してその場所に誘導したのだ。
最近の子は血気盛んで何をするのかわからないとニュースでやっていたが、今の俺にはそれが丁度良かった。
絶対に勝てない相手との戦いを前にして恐怖と不安で押しつぶされそうな俺の前に、カモがネギを背負って歩いてきたのだ。
俺は悪の組織の戦闘員だ。
高校生3人を返り討ちにすることなど造作もない。
もし、これを俺以外の戦闘員がやった場合は「なぜ普通の会社員のはずの人がそんなに強いのか?」と疑問を抱かれてしまうかもしれない。
だが、俺には1年間戦場に行って傭兵をやっていたという実績がある。
例え暴れても、戦場帰りの会社員がムシャクシャしている所に高校生が喧嘩をふっかけた。
として、処理してもらえるだろう。
俺は男達3人に連れられてドンドン人気のない所にやってきた。
「この辺でいいか。おい、金出せよ。」
男達はこの辺なら大丈夫だろうと思ったのか。
一応、その辺にある武器になりそうな棒状の物を手に取ったり、ポケットからナイフを取り出して俺に見せつける様に目の前に晒した。
それを見た俺は思わず笑ってしまった。
それは相手に恐怖を与えるための演出なのだろうが、俺からすれば相手の武器を確認するという作業を減らす行為でしかない。
(盗賊なら殺した相手から物を奪えよ・・・ その方が確実だぜ?)
俺がそこまで思ってからナイフを持つ男の手を掴んだ瞬間だった。
「お巡りさん! こっちです!」
誰かが後方から大声をあげて叫んだ。
「な・・・!」
「やばい逃げろ!」
「くそ! 覚えてろよ!」
男達3人は声を聞いて早速逃げ出した。
俺もその声に驚いて思わず掴んでいた男の手を離してしまった。
俺は訳も分からずその場に留まっていると見知った顔が近づいて来いた。
「橙子ちゃん 黒条さんどうしたんだい?」
近づいてきた人影は二人、橙子ちゃんと黒条さんだった。
「どうしたもこうしたもありません!なんで素直に謝って逃げないんですか!」
二人に声をかけた俺に橙子ちゃんは怒気を込めた声を張り上げる。
「大丈夫でしたか?」
その後ろから黒条さんが俺を心配そうに見つめる。
「ああ、二人のおかげで何ともないよ。ありがとう。」
俺は二人にできるだけ笑顔を浮かべた表情で感謝の意を述べる。
「こんなところに素直について来て!何かあったらどうするんですか?!」
橙子ちゃんの怒りはそれでも静まらず、黒条さんが橙子ちゃんの肩を押さえてなんとか落ち着けようとする。
「すまない。考え事をしていてね。次からは気を付けるよ。」
俺はそう言って橙子ちゃんに平謝りをする。
「あの・・・ 何かあったのですか?」
黒条さんは冷静に俺を観察しているために、俺の普段とは違う雰囲気に気づいたのだろう。
その言葉を聞いて橙子ちゃんもようやく冷静になってくれて俺を見て心配そうな表情を向ける。
「えっと、ちょっと仕事でね・・・」
俺は二人に仕事の愚痴をこぼすことにした。
無論、悪の組織に関係なさそうな内容に変更してだ。
今までにない強敵の出現は、対立する会社がものすごい勢いで成長していてこのままではうちの会社は潰れるかもしれないとか、リストラにあうかも知れないとか。
未来ある学生に話していいのかわからない。
社会の現実を聞いて二人も落ち込んでしまう。
もしかしたら、俺をどうフォローしようか考えているのかも知れないが、二人はまだ学生で親に養ってもらっている身だ。
下手に俺に言葉をかけてもきっと俺の心には届かないだろう。
「ありがとう。愚痴を聞いてくれたおかげで何とか立ち直れそうだよ。」
俺は会社の愚痴を二人に溢してできるだけ満足げな笑顔を浮かべて去ることにした。
「頑張ってくださいね。」
「愚痴を聞くことしかできませんが、それで気が晴れるならいつでも愚痴を聞きますよ。」
二人はそう言って俺を励ましてくれた。
実にありがたい言葉をかけてもらった気がする。
帰り道、俺はいつも通りの道順で帰っていく。
いつも通り何事もなく帰路を進んでいく。
「あ、お席どうぞ。」
「まぁありがとうございます。」
電車内でおばあさんに席を譲ったり・・・
「何してるの?」
「・・・! な、なにもしとらんよ! なんだね君は?!」
(↑このおじさんはこの後どこかに逃げ去った)
痴漢をしようと伸ばしたおじさんにさりげなく声をかけて見たり・・・
「荷物お持ちしましょうか?」
「おお、これは親切にお願いしてもよろしいですかな?」
「はい。」
重い荷物を持ったおじいさんの代わりに荷物を運んであげたり・・・
「ええん!! ママ~!!」
「どうしたんだい? 迷子になってしまったのかい? お名前は言えるかな?」
迷子の子供の親を探してあげたり・・・
そんないつも通りの帰路についていた。
「いや、いつもそんなことしてるの?」
そんな俺に後ろから声がかかって振り返ると、紫原さんが立っていた。
なんでも、同じ駅から自宅に帰ってくる途中で俺を見かけてそのまま観察していたらしい。
「声をかけてくれればよかったのに、水臭いなぁ~。」
「ああ、いや。だって、忙しそうだったし・・・」
紫原さんには俺が忙しそうにしているように見えたらしい。
なぜだろう?
特に何かをしていた記憶がないのに・・・
やっぱり以前から感じている余所余所しさは勘違いではなく、俺を見つけても話をしたくない理由でもあるのだろうか?
(ああ、この人にとっては普通のことなんだ・・・ 普通はできることじゃないだろうに・・・)
紫原さんが俺を見てあきれた顔を向けてくる。
何か飽きられるようなことをしたのだろうか?
「あら、こんばんは。今帰りかい?」
庭先から近所のおばさまが俺に挨拶をしてくる。
「あ、こんばんは。花壇の水やり毎日大変でしょう。」
俺はおば様に挨拶を返して労をねぎらう。
おば様が毎日世話をしている花壇内には綺麗な花々が咲き誇っている。
「こんばんは~」
「兄ちゃんこんばんは~!」
子供達も夕暮れなので家に帰っている途中で俺を見つけては挨拶してくれる。
「こんばんは。転ばない様に車に気を付けて帰るんだよ。」
俺はその後も子供達は近所の住人に挨拶をされながら紫原さんと同じ方向に進んでいく。
彼女の家もどうやら同じ方向らしかった。
「智坂さんすごいですね。」
紫原さんは何かに感心した様子で急に話を振ってくる。
「?? 何がかな?」
俺は何がすごいのかよくわからず、頭の上に?マークを浮かべて質問を返した。
「ああ、いや・・・」
(この人の中ではこれも普通なのか・・・ どういう思考回路なんだよ・・・)
紫原さんは言葉を詰まらせて何かを考え込んでいる。
きっとすごいというのは彼女の思い違いなのだろう。
何せ俺は何もすごいことをしていない。
ただ近所の住人と挨拶を交わしているだけだ。
「じゃ、私こっちなんで。」
「ああ、気を付けてね。さようなら」
紫原さんはそう言って十字路で右に曲がって帰って行った。
俺は手を振って彼女を見送った後で、左に曲がって帰路につこうとしたその時。
「きゃぁ~!ひったくりよ~!」
女性が大声をあげて叫んだ。
俺は声のする方向に体を反転させて一目散に駆け出した。
曲がり角に差し掛かったところで自転車に乗ったマスクにサングラスの男が女性物の鞄を持ってこちらに向かって走ってきていた。
俺は反射的に男の腕を掴んだ。
男は必死に逃げようと抵抗するが、俺は男の腕を離さない。
そのせいで、男はバランスを崩して自転車から落ちてしまう。
俺もそれに巻き込まれて転倒する。
「大丈夫か?!」
倒れた俺達の下に紫原さんが駆けつけてきた。
別方向からは20代の女性が髪が乱れた状態で駆け寄ってくる。
「その人が犯人です。」
女性は俺が掴んだ怪しい男を指さして叫んだ。
「くそう!」
男は何とか立ち上がって俺の手を振り払って逃走を図ろうとする。
「おせぇよ!」
紫原さんはそんな男の前に立ちはだかる。
「く・・・」
男は別方向に逃げようとして反転して駆け出した。
「逃がすか!」
俺はそんな男の足にしがみ付く。
「うわぁ!!」
急に足を掴まれた男は勢い余ってその場に転倒した。
「大人しくしやがれ!」
紫原さんはそんな男の上にマウントして腕を掴んで捻りあげた。
「警察に連絡!」
男を拘束した紫原さんが俺にそう言って警察を呼ぶように促した。
俺は警察を呼ぼうと携帯電話を取り出して110のボタンを押した。
バキャ!
だが、俺の携帯電話はあっさりと砕け散った。
急に俺の真横に現れた男がその拳で砕いたのだ。
「な、何を・・・!?」
ゴス!
俺が男に向かって抗議の声を上げる最中に男は俺の腹部を強打した。
「%&%%$#”」
俺は声にならない悲鳴を上げてその場に倒れ込んだ。
「てめぇ、何しやがる?!」
「きゃぁ~!!!」
近くで女性の悲鳴と紫原さんの激怒した声が響いていた。
感想が届かないのは俺の作品に人を引き付ける力がないからなのだろう。
そんな俺にアドバイスをくれる人はいませんか?
いや、人に甘えてはいけない・・・
駄文上等で始めたので気にしないことにしよう。
メンタルが弱いから立ち直れなくなっても困るしね!




