15 ダン〜side〜
「どういうことだっ!!」
「どういうことも何も、入団者名簿には貴方の名前はありません」
「何かの間違いだっ!ちゃんと見てくれ!」
「……いいえ。載ってませんね。お引き取りを」
「くそっ!!それを貸せっ!!」
王都騎士の受付嬢から名簿用紙を力尽くで奪い取る。
血眼になって、俺の名前を探す。
ない…、ない、ない、ない!ない!!
くそっ!!どうなってる!!
「俺は王都公立高等学園から推薦状がでて、入団することになってるはずだ!何かの手違いだろ!もう一度確認してくれっ!!」
白い目で受付嬢がみてくる。
無言で、俺から名簿をひったくると「これ以上騒ぐと衛兵呼びますよ」と、冷たい対応をされた。
「これは記入漏れだっ!!お前じゃ話にならないっ!もっと上の人は居ないのかっ!!」
ふぅっと溜息を吐いて、受付嬢が奥に消えてく。
名前がないだなんて!どうなってる?
王都騎士団に俺は入団するはずなのに!!
学園長には推薦状を出して貰うよう、話しをしてあったはずだ。
それに、冬休み中に父をどうにか説得して、リリアンとも婚約した。
その代わりに卒業後のイオート子爵の名前を使用禁止された。つまりは勘当にほぼ等しい。
リリアンは伯爵家の次女で、俺は三男だから、どちらも家名を継げない。だから貴族である為には、何処かの長男長女に嫁ぐしかない。
しかし、俺が王都騎士団に入団し、俺が騎士爵を得れば貴族籍で居られる。
王都騎士団はエリートの花形職だ。
リリアンの両親も、王都騎士団ならと言うことで、婚約を認めてくれた。
――もしも、王都騎士団に入れないなんて事態になったら…俺は…っ!!
卒業式の後には、2人で住む新居を決め、王都に住むめるように、既に引っ越しをしていた。
4月の入団式がいつになるのか、確認しておこうと、王都騎士団の受付に確認しに来たのたが…。
背中に冷汗が、ツーと流れるのを感じる。
――何かの手違いだろう!俺は優勝して推薦状を貰ってるんだっ!
ガチャリっと奥から扉を開け、体格の良い父ぐらいの年配の男が、さっきの受付嬢と一緒に、俺の前まできた。
俺のことを上から下へと舐めるような視線をよこした。だいぶ失礼な奴だなと思い、俺はムッとした顔になる。
「イオート子爵家のダン令息…だったか。確かに学園からの推薦状は届いていた」
「だったらっ!なぜ入団名簿に名前がない?」
男は呆れたように、俺をみた。
「だが、入団試験日に来ていない為に、不合格になっている。よって、入団することは認められていない。以上だ!」
「なっ!!入団試験っ!??…そんなの知らない!!試験があるなんて、聞いてないっ!」
「推薦状の者は全員、年末に本人宛に書類を送ってあるはずだ。試験は年明け、他の者はちゃんと試験に来ていたぞ」
「書類…?」
「試験を受けてない以上、入団は認められない。帰ってくれ」
「ちょっ!!待ってくれ!試験があるなんてっ!し、知らなかったんだっ!!今から受けさせてくれっ!俺は騎馬部で優勝したんだっ!」
男はグッと眉間に皺を寄せ、俺を睨む。
「例外は認めていない。帰ってくれ。これ以上は、衛兵に突き出すぞ」
「っっ!!」
目の前が真っ暗になったような気持ちだ。
――入団出来ないと、俺の人生は……どうなる…
いよいよ!明日でラストです。
ここまで、お読み頂きありがとう御座いました。




