死にたがり病
郁子には、ずっと抱えているものがあった。
死にたがり病、と自分では呼んでいた。
名前は後付けだけど、
それ以外の言葉が見つからならない。
小学生の頃が、特に一番強かった。
家でボコボコにされた。
誹謗中傷が特に多かった。
ご飯を抜かれた。
風呂に入れてもらえない日があった。
ずっと正座させられた。
刃物を向けられた。
そういうことが、重なった頃から、
死にたいと思わないと、やっていけなくなった。
死にたいのに、死ねない。
死ぬ方法なんて、分からないし。
とにかく苦痛で、死にたい。
産んだのは良いけど、育てられないなら
産まなければ良かったじゃないか。
いなくて良いじゃないか。
そんな気持ちでいっぱいだった。
あぁ、死にたいな。
が、何をしていても、ずっと郁子の中にあった。
もう死んだ方がマシだと思って
2階から飛び降りたい日も、何回もあった。
でも、血が怖くて出来なかった。
悲惨になったじぶんの姿が怖くて出来なかったのだ。
そもそも、2階から飛び降りたくらいで
死ねるのか、という疑問もあった。
叫べぱ、
親になにされるか分からなかったから
歌ったり、
紙に、私は親の奴隷じゃないと書いたりして
過ごしていた。
そんな死にたがり病を抱えながら
学業を続けたものだから、
学業が辛いのか、生活が辛いのか
よく分からなくなった。
学業はやれば出来るのに
精神的苦痛が強過ぎて出来ず、
親や兄弟が言うように
じぶんのことを
本当に馬鹿なのだと思っていたこともあった。




