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好きって、いえない  作者: 燃え燃えきゅん
本題
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12/20

莉奈の告白

莉奈の告白。


莉奈は、同じクラスの転校生

近藤武史のことが好きだった。


クラスは違うけど

図書委員で、毎日ふたり話せる。

それだけで、莉奈には十分だった。


でも、郁子には見えていた。


莉奈は、恥ずかしくて、好きと言えない人だった。

郁子と、同じだった。


ただ、理由が違った。



莉奈は自分に自信が無くて、

恥ずかしいから言えない。

郁子は家の事が気になり過ぎて、

言い方がわからないから言えない。



「どうせ私には無理だから」が

莉奈の口癖だった。




莉奈がそう言いづけていたある日

恋愛映画を見に行くことになった。


その時見たものは覚えててないけど

恋空とか、

赤い糸が流行っていた頃だった。



映画を見終わったあと

ケータイで告白のメール文を書いている莉奈を見て

郁子は決めた。


良かれと思って、代わりに送ろう、と。



そんなに好きなら言った方が良いと思ったからだ。



当時のケータイメール。

莉奈のアドレスから、

近藤武史に、告白のメッセージを送った。


莉奈が自分では出来そうになかったから。

ただ、それだけだった。



郁子にとって、

その時は自分の恋愛は

そんなにうまくいってないというか



告白できるような

家庭環境ではなかったから


告白の文章を書いている

莉奈のことが羨ましかった。




自分の気持ちを言葉にすることは

ずっと、できないことだった。



でも、莉奈の気持ちを理解していたから、

送ってみれば、

ワンチャンあるかもくらいの感覚だった。



自分の「好き」は言えないのに、

人の「好き」は送れた。

ただただ、応援したかった。



その矛盾に、

その時の郁子は気づいていなかった。



結構やり取りしてるって聞いてたから

いけると思ってたけど

送った後、断られたみたいで。




代わりに送った、という事実だけが

今も残っている。



応援することで、

自分の気持ちから目を逸らしていた。


そういうこともあったかもしれない、

と今は思う。

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