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好きって、いえない  作者: 燃え燃えきゅん
本題
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11/17

親友との恋愛交換ノートが失われた亀裂

ノートが戻ってこなかった日から、

郁子は何も言わなかった。


言えなかった、というより、

言う言葉が見つからなかった。


「ノート、最近返ってこないな。」

と思っていたけれど


その一言が、出てこなかった。



莉奈の親が捨てた。

それだけのことが、

郁子の中で、じわじわと広がっていった。


怒りが強かった。



この時点で、郁子と莉奈の関係は

友達ではなく、依存関係だった。



書いたのは良かったけど

きつめの依存。

家に居場所がない、

その事が

友達作りではなく、依存関係に繋がった。




せっかく書いたのに、と思った。


毒親の家のことを、書いた。

それを、知らない大人に読まれた。

そして、捨てられた。


「捨てていい内容だった」

と判断されたのだと思うと、

怒りが優った。


莉奈は、ごめんねと謝って

続きのノートを作ったのだけど

なんだか、やる気が落ちてしまった。



親が実際は

なんで捨てたのか、

郁子にはわからなかった。


聞けなかった。


聞いたら、莉奈が困る。

莉奈の親のことを、悪く言うことになる。

それも、嫌だった。


郁子はいつも、そう。


自分が傷ついていても、

相手が困らない方を、選んだ。


ノートはなくなった。


でも莉奈との間には、

見えないものが一枚、入った。


莉奈は気づいていない。

莉奈はいつも通りだった。

いつも通り話しかけてきて、

いつも通り笑っていた。


郁子も、いつも通りにした。


ただ、

以前より少しだけ、

家のことを話す気持ちが、

遠くなった。


それだけだった。


それだけで十分だった。


そのころのブームは、

莉奈が好きだった近藤武史という転校生だった。


「近藤武史くんの事が好きで、気になる。」



おなじ図書委員だった事で、

毎日話せるようになったので、

もっぱら、恋愛の話が続いた。



郁子は、きっとうまくいくというより、

それは私に言うだけじゃなくて、

本人に言った方が良いとずっと思っていた。


応援する側に、なろうと思った。



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