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終わらないお家

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

その人は言った

「ここに、ぼく専用のでっかいお家を建てよう!」

広い土地だった

風が通り、草が揺れている

何もない場所

だからこそ、その人は思った

ここに、誰よりも大きくて

誰よりも立派なお家を建てよう

その人はお金持ちだった

だからすぐに

お家を考えてくれる人を呼んだ。

「素晴らしいお家を建てましょう!」

設計の人は自信たっぷりに言った

そして数日後

机の上に一枚の紙が置かれた

そこには線が引かれていた

まっすぐな線

曲がった線

数字

記号

それはお家の設計図だった

だが、その人は首をかしげた

「これが、ぼくのお家?」

設計の人はうなずいた

「はい。この図面の通りに作れば

素晴らしい家が建ちます」

その人は、紙をつまみ上げた

ひらひらと揺れる

そして言った

「こんな薄っぺらい紙で

ぼくのお家の全部がわかるわけないじゃないか」

少し考えて、笑った

「よし!建てながら考えよう!」

設計の人は少し困った顔をした

だが、その人は続けた

「大丈夫だよ」

「お金はいくらでも払う」

その言葉で、工事は始まった

まず来たのは

家を建てる会社の人だった

その人は、別の人を呼んだ

型枠屋さん

大工さん

左官さん

そしてその人たちも

また別の人を呼んだ

資材を運ぶ人

釘を打つ人

窓をはめる人

土地にはどんどん人が増えた

木が運ばれ

鉄が運ばれ

コンクリートが流された

家の骨組みができはじめた

だが、その人は言った

「やっぱり塔をつけよう」

作業は止まった

図面は書き直された

塔の柱が立った

次の日、その人は言った

「やっぱり塔はいらない」

塔は壊された

また数日後

「二階じゃ足りない。三階にしよう」

三階になった

その次の週

「やっぱり広い庭がほしい」

庭のために壁が壊された

そのたびに

家は止まり

家は壊され

家はまた作られた

人は増えた

会議も増えた

図面も増えた

だが、家は完成しなかった

季節が変わった

春が来て

夏が過ぎ

秋になり

また冬が来た

骨組みだけの家が

風の中に立っていた

ある日、その人は言った

「どうしてまだできないんだ?」

設計の人は静かに答えた

「作る人が足りないんです」

その人は笑った

「そんなはずない!」

「お金はいくらでもある!」

設計の人は少しだけ考えてから言った

「お金で図面は増えます」

「お金で会議も増えます」

「ですが――」

その人は、遠くで働く人たちを見た

泥だらけの靴

汗だらけの服

黙って釘を打つ人

「手は、お金では増えません」

その人は黙った

骨組みの家を見上げた

そしてふと思った

この家を本当に作っていたのは

自分でもなく

設計図でもなく

あそこで黙って働いている人たちだった

だが、その頃には

もう多くの人が

この工事からいなくなっていた

別の仕事へ行った人

疲れてやめた人

もう呼ばれなくなった人

残ったのは

大きな土地と

半分だけの家だった

その人は、空を見上げて言った

「もっとすごい家にしよう」

「塔を三つにして」

「屋上にプールを作って」

「空まで届くくらいの家にしよう」

誰も何も言わなかった

ただ風だけが吹いていた

世の中には

なんでもしたいと言う人がいる

大きな夢を語る人がいる

立派な計画を語る人がいる

だが

それを本当に作る人は

驚くほど少ない

ほとんどの人は

口にするだけだ

夢を語り

計画を語り

未来を語り

そして――

何も建てない

骨組みだけの家のように

途中で止まったままの話が

この世界には

山ほどある

その土地では今日も

風が骨組みを揺らしている

その人の家は

まだ

終わっていない

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