表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
421/440

うまい料理とは何だろう

*この物語は作者が趣味で、適当に書いてるメモと朝一番の(強制)ラジオ体操中におもいついた内容と妄想を書き溜めたモノをス〇ゼロを飲みながら書いた”短編作品”です。支離滅裂・シナリオ崩壊等の描写がございますが、それでも見たい方は… 好きな飲み物(アルコール的な物は大歓迎)とすきな煙(火をつけるものならナカーマ)を嗅ぎながら…生暖かい目で見てください(小並感)

なお…極力R指定的な作品は掲載しないようにするのでぇ~よろしくお願いします(小並感)

うまい料理とは、なんだろう

近所に小さな中華料理店があった

小さい、というより――

正直に言えば、少し汚い店だった

真っ赤なテーブル

真っ赤な丸椅子

長い年月で色がくすみ

どこかベタついている

店に入ると

独特の油の匂いがする

古い油の匂いなのに

なぜか食欲をそそる

鍋を振る音

ジュワァァァッ

煙と一緒に

ニンニクとラードの香りが広がる

カウンターの向こうには

口の悪い店主がいる

「注文決まったか!」

ぶっきらぼうな声だ

その横で奥さんが笑う

「この人ね、口は悪いけど料理はいいから」

その二人のやり取りが

この店の空気そのものだった

メニューは普通だ

ラーメン

チャーハン

餃子

回鍋肉

町の中華屋にある

だいたいのものが揃っている

だが、この店には

ひとつ不思議なところがあった

味が、少しずつ違う

昨日のチャーハンと

今日のチャーハンは

ほんの少しだけ違う

塩が強い日

ニンニクが効いている日

油が多い日

だがそれが

どれも妙にうまい

常連になると

「大将、いつもの!」

と声をかける人がいる

すると店主は

「おう」

とだけ言って

その人の好物を作る

ラーメンの麺を少し硬めにしたり

チャーハンを少し濃い味にしたり

出てきた料理を食べて

常連が言う

「今日のいいね」

すると店主が言う

「今日は油がいいんだ」

奥さんが笑う

「適当言ってるだけよ」

だがその“適当”こそが

この店の味だった

ところがある日

その店の隣に

新しい中華料理店ができた

大きな看板

明るい照明

ピカピカの床

ガラス張りの店内は

外からでもよく見えた

自動ドアが開くたび

機械の声が流れる

「いらっしゃいませ」

席に着くと

タブレットが光る

メニューを押すと

すぐに注文が通る

厨房は静かだった

大きな鍋の音はない

煙も、油の匂いもない

しばらくすると

小さなロボットが近づいてくる

トレーの上に

ラーメンとチャーハン

「お待たせしました」

機械の声が言う

湯気は立っている

見た目はきれいだ

味も悪くない

麺の硬さも

スープの濃さも

きっちり揃っている

隣の席の人も

その隣の人も

同じラーメンを食べている

誰も店員を呼ばない

誰も料理について話さない

食べ終わると

静かに席を立つ

外ではまた

ロボットが店に戻っていく

そのころ

古い中華料理店では

赤い椅子が

少しずつ空くようになった

それでも

常連は来た

「大将、いつもの」

店主は言う

「今日は少し塩きついぞ」

常連は笑う

「それがいいんだよ」

奥さんが横で言う

「また適当に作ったでしょ」

だがある日

その店のシャッターが

閉まったままになった

貼り紙が一枚

「長い間ありがとうございました」

それだけだった

隣の店では

今日もロボットが

料理を運んでいる

同じラーメン

同じチャーハン

誰が作っても

同じ味

どの時間でも

同じ味

間違いはない

だが

どこにも

「今日のいいね」

という料理は

なくなってしまった

地域からまた

味のある料理が消えていく

あの油の匂いも

あの適当な塩加減も

口の悪い店主も

まぁまぁとなだめる奥さんも

すべて一緒に

町から消えていった

うまい料理とは、なんだろう

きっとそれは

レシピだけではない

温度

匂い

会話

そして

その日その人のために

少しだけ変わる味

うまい料理とは

きっと

そういうものだったのだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
うちの地元にも惜しまれながら消えていった店がいくつもあります。 いずれも、経営者がいい味だしていました。 そうです、経営者が味を出すんです。 その出汁に惹かれてフラフラとまた誘われるわけですね 腹減…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ