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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第四十話 収納空間の最深部

「レクトさんの収納空間“内部”です」


誰も動かなかった。


異界少女の指が、震えている。


空中モニターには、巨大な赤点。


しかも、周囲の反応を全て飲み込むほど大きい。


王女が顔を引きつらせる。


「……収納空間の中?」


「はい」


少女は青ざめたまま頷いた。


「あり得ません、普通は」


セレフィナも険しい顔になる。


「収納空間は保管場所です、生命反応が育つなど聞いたことがない」


その時、監視者が小さく呟いた。


「普通ならな」


嫌な言い方だ。


全員が監視者を見る。


監視者は静かに言った。


「だが貴様の収納空間は違う」


「またそれか」


最近よく言われる。


監視者は続けた。


「物資」

「魔力」

「怪物」

「自然エネルギー」

「空間残滓」


一つずつ数える。


「数年間、蓄積された」


空気が変わった。


俺も嫌な予感がしてきた。


その時、異界少女が端末を操作する。


すると、空中モニターに映像が表示された。


真っ暗な空間。

巨大倉庫みたいな場所。


そこに、


山。

湖。

雪原。

森。

砦喰らいの巣。


意味が分からない。


兵士たちも絶句している。


「国じゃねぇか……」


「収納空間だよな?」


俺もそう思う。


監視者が頷いた。


「長年の蓄積により」


「一つの世界へ近づいている」


やめてくれ。


その時だった。


赤点が動いた。


全員が固まる。


ズズズズズ……


巨大反応が移動する。


しかも、こちらへ近づいてくる。


異界少女が悲鳴を上げた。


「動いた!!」


「なんだあれ!?」


モニターが拡大される。


映像が鮮明になる。


そこにいたのは、巨大な影。


山より大きい。

砦喰らいより遥かに大きい。


だが、形がおかしい。


兵士たちが息を呑む。


「……人?」


人型だった。


その時、影がゆっくり顔を上げる。


そして、全員が固まった。


似ている。


あまりにも。


王女が呟いた。


「嘘……」


セレフィナも言葉を失う。


監視者でさえ沈黙した。


なぜなら、その巨大な存在は、

レクトそっくりだった。


映像の中の巨人が、ゆっくり口を開く。


「ようやく見つけた」


笑った。


「――俺」

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