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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第三十八話 砦喰らいのトラウマ

超巨大砦喰らいが、

急停止した。


都市を揺らしていた巨体が、ピタリと止まる。


そして、その巨大な目が、俺を見た。


兵士たちが叫ぶ。


「来るぞ!!」


「警戒――」


だが、砦喰らいは動かなかった。


むしろ。


ズリッ。


少し後退した。


全員が固まる。


「……え?」


異界少女も目を瞬かせた。


監視者が小さく呟く。


「学習してる」


何を?


その時、砦喰らいが、低く唸った。


グルルルル……。


なんか、めちゃくちゃ警戒してる。


そして、俺が一歩前へ出るたび。


ズリッ。


また下がる。


完全にビビってる。


バルクが吹き出した。


「おい」


「災害級魔物がお前怖がってるぞ」


そんな犬みたいに。


その時、セレフィナが真顔で分析した。


「以前、収納された記憶があるのでしょう」


「記憶?」


「はい」


セレフィナは砦喰らいを見る。


「あれにとって収納空間は“地獄”だった可能性があります」


なんか申し訳なくなってきた。


だが、異界少女は怒っていた。


「反省してる場合ですか!!」


「今すぐ回収してください!!」


確かに。


砦喰らいはまだ暴れれば危険だ。


俺は改めて、手を向ける。


――《収納》。


砦喰らいが絶叫した。


グォォォォォォォッ!?


めちゃくちゃ嫌がってる。


さらに、巨体が全力で逃げ始めた。


「逃げたぁぁ!?」


異界都市が揺れる。


超巨大怪獣が、涙目みたいな勢いで逃走していた。


だが、遅い。


収納範囲が広がる。


黒い光が、砦喰らいを包み込む。


すると、砦喰らいが、最後にこちらを見た。


その目は、完全にこう言っていた。


【またお前か】


次の瞬間、


ズォォォォォッ!!


超巨大砦喰らいが、消えた。


----


都市が止まる。


避難していた異界人たちも、

全員固まっていた。


そして、数秒後。


「……勝った?」


誰かが呟く。


続いて、大歓声が爆発した。


「消えたぁぁぁ!!」


「災害獣が消えた!!」


「助かった!!」


異界都市中に歓声が広がっていく。


異界少女は、へたり込みながら涙目になった。


「終わったぁぁ……」


監視者も頷く。


「回収完了」


すると、空中モニターみたいなものが、都市上空へ表示された。


【危険物回収成功】


【異界被害レベル:大幅改善】


【管理責任者レクトへの評価更新】


嫌な予感しかしない。


次の瞬間。


【収納効率:SSS】


【危険物処理速度:EX】


【異界物流適性:歴代最高】


やめてくれ。


さらに。


【正式に異界物流局特級管理者へ任命します】


俺、

なんか就職してないか?

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