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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第三十七話 異界物流局

「現在三万七千件あります」


終わった。


俺は異界少女を見た。


「……ちなみに金額は?」


少女は真顔だった。


「現在集計中です」


聞かなきゃよかった。


その時。


ドゴォォォォォン!!


再び都市が揺れる。


超巨大化した砦喰らいが、

高層建築を薙ぎ払っていた。


空中道路が崩れ、

警報音が鳴り響き、

避難誘導が飛び交う。


完全に怪獣災害だった。


少女が慌てて通信機を開く。


「第七区画崩壊!」

「防壁ライン後退!」

「迎撃班、全滅です!」


怖いこと言うな。


王女が青ざめる。


「……あの世界より文明進んでません?」


確かに。


異界都市は俺たちの世界より遥かに発展していた。


空飛んでるし。


なのに――

砦喰らい一体で崩壊寸前。


少女がこちらを睨む。


「だから早く回収してください!!」


「回収ってどうやって?」


「収納で!!」


……あ。


確かに。

元々俺が収納した魔物だ。


もう一回収納すればいいのか?


監視者が頷く。


「理論上可能」


「理論上って怖いな」


その時、セレフィナが真剣な顔で言う。


「問題は容量です」


「容量?」


「異界側の高濃度魔力で、砦喰らいが肥大化しています」


つまり――

前よりデカい。

かなりデカい。


遠目でも山みたいだ。


少女が補足する。


「現在、元サイズの約十二倍です」


意味が分からない。


兵士たちも絶望顔だった。


「収納できるのか……?」

「無理だろあれ……」


だが監視者は静かに言う。


「できる」

「根拠は?」

「貴様だから」


雑だな。


その時、砦喰らいがこちらに気づいた。


巨大な目が動く。


そして――


グォォォォォォォォッ!!


咆哮。

衝撃波だけで周囲の窓が砕け散る。


少女が悲鳴を上げる。


「来ます!!」


超巨大砦喰らいが、

都市を踏み潰しながら突進してくる。


速い。

デカいのに速い。


バルクが剣を抜く。


「レクト!!」


王女も叫ぶ。


「避難を!!」


だが俺は砦喰らいを見つめた。


そしてふと思った。


「あれ収納したら」


全員が注目する。


「異界側、ちょっと平和になる?」


監視者が頷く。


「かなり」


少女も涙目で頷く。


「お願いします本当に!!」


よし。


じゃあやるか。


俺は超巨大砦喰らいへ向けて手を伸ばした。


その瞬間――


砦喰らいが、なぜか急停止した。


そして。


巨大な顔で、

ものすごく嫌そうな顔をした。

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