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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第三十五話 異界出張

【現在、砦喰らいが異界都市を襲撃中】


全員が沈黙した。


兵士たちが、ゆっくりこちらを見る。


「……レクト殿?」

「なんだ」


「責任案件では?」


やめてほしい。

だが監視者が静かに頷く。


「責任案件だ」


即答だった。


俺は頭を抱える。


「いや、だって知らなかったし……」


「不法投棄に故意性不要」


異界、法律が厳しい。


その時、ダインが青ざめた顔で叫んだ。


「まずいぞ!!」


全員が振り向く。


ダインは震えていた。


「砦喰らい、異界側だともっと強い!!」


「なんで!?」


「魔力濃度が高いからだ!!」


嫌すぎる。


監視者も頷く。


「向こう側では災害上位種」


兵士たちの顔色が変わる。


「そんなのが都市に!?」

「終わるぞ!!」


その時、

空間裂け目の奥から、遠くの悲鳴が聞こえた。


さらに――


ドゴォォォォン!!


巨大な建物が崩れる音。


監視者がこちらを見る。


「急務」


「……行けって?」


「原因者」


ブラックすぎる。


すると王女が前へ出た。


「待ってください」


空気が変わる。


王女は真剣な顔だった。


「異界へ人を送る危険性は?」


監視者は少し考える。


「高い」


「具体的には?」


「死ぬ時は死ぬ」


雑だな。


だが、セレフィナは既に覚悟を決めていた。


「私も同行します」


「は?」


兵士たちが驚く。


セレフィナは冷静だった。


「異界観測は帝国でも最重要案件です」


「放置できません」


すると王女も即座に言う。


「なら私も行きます」


「王女!?」


護衛騎士たちが悲鳴を上げる。


だが王女は引かなかった。


「これは国家案件を超えています」


「世界規模です」


その通りなんだけど、規模がデカすぎる。


その時、バルクがため息を吐く。


「……結局こうなるか、俺も行く」


「え?」


「お前一人じゃ絶対やらかす」


否定できない。


監視者が巨大な手を上げる。


裂け目が、ゆっくり広がった。


----


黒い通路。

異様な光景。


その奥には――


見たこともない巨大都市。


空中を走る光。

浮遊建造物。

黒い空。


そして都市中心部で暴れている、

超巨大化した砦喰らい。


兵士たちが絶句する。


「なんだあの世界……」

「異世界……」


その時、監視者が静かに言った。


「ようこそ、貴様が壊しかけた世界へ」

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