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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第三十四話 異界からの苦情

【異界環境改善要求書】


紙束が、吹雪の中を舞っていた。


兵士たちは呆然とする。


「なんだこれ……」

「苦情?」

「世界を超えて?」


俺もびっくりだ。


一枚拾ってみる。


【近年、巨大廃棄物の不法投棄が急増しています】


ごめんなさい。


【特に“燃える湖”案件については深刻な被害が発生しました】


めちゃくちゃ怒ってる。


兵士たちの視線が痛い。


別の紙には――


【砦級魔獣の投棄禁止】

【巨大雪生物の投棄禁止】

【岩石を山脈へ射出しないでください】


細かい。

いや、細かくない。

全部俺だ。


その時、ダインが真顔で言った。


「いや本当に危なかったんだぞ!?」


「急に空から山降ってくるんだからな!?」


申し訳ない。


監視者が静かに補足する。


「現在、異界側では“空から物が落ちてくる災害”として問題化」


やめてほしい。


王女が肩を押さえて笑いを堪えている。

セレフィナは頭痛を堪える顔だ。


「国家問題どころではありませんね……」


監視者が巨大な腕を組む。


「故に管理必要」


「だからって俺に?」


「原因貴様」


反論できなかった。


その時、兵士の一人が恐る恐る手を上げる。


「質問いいですか……」


監視者が視線を向ける。


兵士は震えながら聞いた。


「つまり今までレクト殿は」


ゴクリ。


「異世界へゴミ捨てしてたんですか?」


「語弊が酷い!!」


だが監視者が静かに言う。


「概ね合ってる」


終わった。


砦内で笑いが漏れる。

緊張が限界を超えたらしい。


その時だった。


ひらりと、また一枚の紙が落ちてくる。


何気なく拾った俺は――固まった。


【異界物流管理局 管理責任者任命通知】


嫌な予感しかしない。


王女が覗き込む。


「……正式任命ですね」


セレフィナも頷く。


「拒否権なさそうです」


監視者は当然のように言った。


「人手不足」


ブラック職場だ。


だが、通知の下部を見て俺はさらに固まる。


【初任務:異界側へ流入した危険物の回収】


そして。


【現在、砦喰らいが異界都市を襲撃中】


……あ。

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