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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第三十三話 収納空間から出てきた男

「やっと出られたぁぁ!!」


砦内に絶叫が響いた。


地面に転がった男はボロボロだった。


服は破れ、

髭は伸び放題、

そして――


頭に干し肉が刺さっている。


兵士たちが困惑する。


「……誰だ?」

「人間?」

「なんで空から?」


男は涙目でこちらを見た。


そして――


「お前かぁぁぁ!!」


俺を指差した。


嫌な予感しかしない。


男は立ち上がり、怒鳴る。


「どれだけ探したと思ってんだ!!」


「えぇ……」


知らない人なんだけど。


すると監視者が小さく呟く。


「長期漂流者」


遭難者扱いだった。


男は叫ぶ。


「俺は冒険者だ!!」


「名前は!?」


「ダイン!!」


誰だ。


だが王女がハッとした。


「まさか、“消えた探索者”?」


空気が変わる。


兵士たちがざわつく。


「知ってるのか?」


王女は頷く。


「五年前、遺跡調査中に失踪した高ランク探索者です」


五年前!?


ダインは涙目で続ける。


「突然、空間に吸い込まれたんだよ!!」


監視者が静かに言う。


「誤収納」


最悪すぎる。


全員の視線がゆっくり俺へ向いた。


いや待て。

五年前って俺まだ子供だぞ。


監視者が補足する。


「別件」


よかった。


いやよくない。


つまり他にもあるのか。


ダインは怒涛の勢いで叫ぶ。


「気づいたら変な世界だったんだよ!!」


「空は黒いし!」


「巨大倉庫みたいだし!」


「突然、岩とか魔物とか降ってくるし!」


完全に災害地帯だった。


兵士たちがドン引きする。


ダインはさらに叫ぶ。


「特に最近酷かった!!」


「雪巨人落ちてくるわ!」


「砦みたいな魔物暴れるわ!」


「燃える湖くるわ!!」


全部俺のせいだった。


その時、監視者が咳払いする。


「ちなみに」


嫌な予感。


「向こう側、現在かなり荒れてる」


「ですよね……」


「住民から苦情多数」


住民いるの!?


全員が固まる。


セレフィナが青ざめる。


「異界文明存在……!?」


監視者は普通に頷く。


「ある」


「しかも貴様の廃棄物問題で揉めてる」


やめてくれ。


その瞬間、また裂け目が開いた。


空から大量の紙が舞い落ちる。


兵士たちが拾い上げる。


そこに書かれていたのは――


【異界環境改善要求書】


終わった。

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