第二十七話 王女 vs 帝国――外交戦の火蓋
「第二王女……!?」
砦内がざわつく。
王国の紋章を掲げた馬車列。
さらに護衛騎士の数も異常だった。
王女はそのまま、真っ直ぐこちらへ歩いてくる。
いや、正確には――セレフィナへ向かって。
帝国特務監察官セレフィナも、静かに視線を返した。
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## ◆ 王女 vs 帝国特務官
空気が重い。
周囲の兵士たちは、完全に固まっている。
王女が口を開いた。
「帝国の動きが随分早いですね」
笑顔。
なのに怖い。
セレフィナは平然としていた。
「重要人物でしたので」
「王国の人間ですが?」
「ええ。だからこそです」
火花が散る音が聞こえそうだ。
バルクが小声で呟く。
「始まったな……」
「何が?」
「国家間牽制」
最近、嫌な単語しか聞いてない。
王女はセレフィナを見据えたまま言う。
「レクトは王国所属です」
「まだ正式任命前でしょう?」
「時間の問題です」
即答だった。
セレフィナの赤い瞳が細くなる。
「なるほど」
「何か問題でも?」
「いえ」
だがセレフィナは次の瞬間、さらりと言った。
「帝国なら、彼をもっと有効活用できます」
空気が凍った。
王国騎士たちが一斉に殺気立つ。
「貴様……!」
「挑発か!!」
王女の笑顔が消えた。
怖い。
だがセレフィナも引かない。
「事実です」
「……どういう意味でしょう?」
「王国は彼を理解していない」
静寂。
セレフィナは続ける。
「補給速度の革命は、国家構造そのものを変えます」
「……」
「ですが王国は、まだ“便利な補給役”程度にしか見ていない」
兵士たちが黙る。
図星らしい。
王女が静かに言った。
「なるほど」
笑っている。
でも怖い。
「つまり帝国は、“レクトを兵器利用したい”と?」
セレフィナが初めて少し眉を動かした。
「語弊があります」
「では否定を」
数秒の沈黙。
……否定しないんだ。
その瞬間、王女の周囲の空気が変わった。
「帝国は、王国へ干渉するつもりですか?」
重い声。
砦内が完全に静まり返る。
だがセレフィナは、逆に小さく笑った。
「違います」
そして、真っ直ぐ俺を見る。
「既に世界そのものが、彼へ干渉を始めています」
なんか規模が大きくなってないか?
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## ◆ 世界が動く瞬間
その時、後方で突然悲鳴が上がる。
「た、大変だぁぁ!!」
全員が振り向く。
見張り兵が、顔面蒼白で叫んでいた。
「空間が……割れてます!!」
……は?




