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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第二十五話 無限収納の男、外交兵器扱いされる

「お前、もう普通の荷運びには戻れねぇ」


バルクの言葉が、妙に重かった。


東部国境砦では、まだ勝利の余韻が残っている。

兵士たちは酒を飲み、生還を喜んでいた。


だが、王都は違うらしい。


「各国の使者が動いているって、本当なのか?」


俺が聞くと、王都騎士は真顔で頷いた。


「はい」


嫌な顔だ。

絶対面倒なやつだ。


騎士は続ける。


「北方砦救援」

「王都火災鎮圧」

「西部街道復旧」

「そして今回の超高速補給」


数えるたび、周囲の兵士たちが静かになっていく。


「さらに“砦喰らい消失”です」


消失って言い方やめてほしい。

ちゃんと山に捨てた。


騎士は疲れた顔で言った。


「現在、各国があなたを“戦略級存在”として認識し始めています」


戦略級。

なんか嫌な単語ばかり増えていくな。


バルクが真顔で言った。


「実際そうだろ」


「えぇ……」


「お前一人で戦争変わるぞ」


否定できない空気なのが困る。


その時、砦奥から慌ただしい足音が響いた。


「急報!!」


兵士が駆け込んでくる。


「王都より通信!!」


騎士が受け取り、顔色を変えた。


「……は?」


「どうした」


騎士はゆっくりこちらを見る。


「隣国《ルーベル王国》が、正式に面会を求めています」


「俺に?」


「はい」


嫌な予感しかしない。


だがそれだけでは終わらなかった。


「さらに」


騎士の声が引きつる。


「帝国側も動き始めました」


空気が凍る。


周囲の兵士たちがざわついた。


「帝国だと!?」

「まずいぞ……」

「洒落にならん……!」


かなりヤバい国らしい。


俺が困惑していると、バルクが低い声で言った。


「レクト」


「なんだ」


「お前、もう“人材”じゃない」


嫌な前振りだ。


「外交兵器扱いされ始めてる」


頭が痛くなってきた。


---


## ◆ 帝国の影


その時、砦外から爆音が響く。


ドゴォォォン!!


兵士たちが一斉に武器を構える。


「敵襲か!?」

「まだ魔物が!?」


見張り兵が青ざめた顔で叫んだ。


「ち、違います!!」


「空です!!」


全員が空を見上げる。


そこには、巨大な飛竜がいた。


兵士たちが悲鳴を上げる。


「飛竜騎士団!?」

「帝国の紋章だ!!」


飛竜はゆっくり下降し、砦前へ降り立つ。


そこから、黒衣の女が飛竜から降りてきた。


長い銀髪。

鋭い赤眼。

異様な威圧感。


彼女は真っ直ぐこちらを見る。


そして静かに言った。


「初めまして、レクト」


兵士たちが息を呑む。


女は続けた。


「私は帝国特務監察官、セレフィナ」


嫌な肩書きだ。


その美女は、まるで値踏みするように俺を見る。


そしてセレフィナは続けた。


「――あなたを、帝国へ招待したい」

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