第二十一話 荷運び、国境砦へ瞬間補給
「補給部隊が間に合いません!!」
騎士の叫びに、空気が一変した。
商人たちの顔から笑みが消える。
国王が鋭く問う。
「被害状況は?」
「東部国境砦が魔物群に包囲されています!」
騎士は息を切らしながら続けた。
「矢弾、回復薬、食料、全て不足!!」
まずいな。
兵糧切れは本当に危険だ。
国王が静かにこちらを見る。
「レクト」
「行けばいいんだろ?」
「話が早い」
最近、この流れ多くないか?
その時、《ゴルド商会》会頭が慌てて叫ぶ。
「待ってください!」
全員が彼を見る。
会頭は真剣だった。
「通常輸送では間に合いません! 東部国境までは最速でも四日、砦は持たないでしょう!」
周囲の商人たちも頷く。
「道中は魔物も多い!」
「護衛付きでも危険だ!」
だが、俺は首を傾げた。
「いや、荷物だけならすぐじゃないか?」
静寂。
まただ。
周囲が「何言ってるんだこいつ」みたいな顔になる。
バルクが遠い目をした。
「お前なぁ……」
「違うのか?」
「普通は違う」
そうなのか。
だが、俺の中では単純だ。
収納。
移動。
排出。
それだけ。
国王が口元を押さえながら言った。
「……試せ」
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## ◆ 王都軍倉庫
数時間後。
王都軍倉庫。
大量の物資が積み上げられていた。
矢束。
回復薬。
保存食。
予備武器。
毛布。
簡易天幕。
普通なら輸送隊数十規模が必要な量だ。
騎士たちが緊張した顔で見守る中、
俺は倉庫へ手を向けた。
――《収納》。
ゴォォォッ!!
大量の物資が、一瞬で消えていく。
「うぉぉ……」
騎士たちからどよめきが漏れる。
止まらない。
全部入る。
倉庫がみるみる空になっていく。
数分後。
巨大倉庫は、ほぼ空になっていた。
静寂。
会頭が呟く。
「輸送費の概念が壊れる……」
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## ◆ 東部国境へ
その後。
俺とバルク、数名の騎士で東部国境へ向かった。
馬を飛ばす。
だが途中で、俺は気づいた。
「あれ?」
「どうした」
「別に俺だけ先行すればよくないか?」
バルクが固まる。
そして頭を抱えた。
「……確かにそうだな」
なんで今まで気づかなかったんだろう。
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## ◆ 最速到達
その結果、俺だけ全力移動。
収納してるから荷馬車も不要。
軽い。
速い。
異常な速度で、東部国境へ到達した。
そして、国境砦。
そこは地獄だった。
壁の外には大量の魔物。
兵士たちは疲弊。
矢も少ない。
負傷者も多い。
「もう持たねぇぞ!!」
「回復薬切れだ!!」
絶望が漂っていた。
その時、見張り兵が叫ぶ。
「……誰か来るぞ!」
兵士たちが構える。
俺は砦前で足を止めた。
そして、
「補給持ってきた」
数秒の沈黙。
「……は?」
なので。
――《排出》。
次の瞬間、砦内へ、
大量の物資が雪崩のように現れた。
矢。
食料。
回復薬。
武器。
山。
兵士たちが絶叫する。
「補給だぁぁぁ!!」
「嘘だろ!!」
「なんでこんな早い!?」
俺は首を傾げた。
「王都から来た」
「半日でぇぇ!?」




