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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第十九話 街道封鎖を一瞬で解決する男

「これ、岩ごと収納すれば道開くんじゃないか?」


静寂。


誰も動かない。


風の音だけが、崩落現場を吹き抜けていく。


「……は?」


輸送隊長が間抜けな声を漏らした。


「いや、だって邪魔なんだろ?」


俺は崩れた岩山を指差す。


巨大な岩石。

折れた木々。

土砂。


完全に街道を塞いでいる。


普通なら復旧に数週間。

だが。


「収納できれば終わりじゃないか?」


その瞬間、

周囲の全員が一斉にこちらを見た。


バルクが顔を覆う。


「また始まった……」


「何が?」


「お前の“常識破壊”だよ」


そんなこと言われても。

邪魔なら片付ける。

当たり前だろう。


その時、国王が静かに言った。


「……やってみろ」


「陛下!?」


騎士たちがざわつく。


だが国王は目を逸らさない。


「この男なら、本当にやる」


なんか信頼が重い。


俺は崩落地点の前へ立つ。


かなり大きい。

正直、収納できるか分からない。


だが今まで、


- 雪巨人

- 貯水池

- 大量物資


も入った。


なら多分いける。


「……収納」


――《収納》。


ゴォォォォッ!!


崩落した岩山が、消えた。


「…………」


現場が凍りつく。


大量の土砂。

巨大岩石。

倒木。


全部が、一瞬で消滅した。


---


街道の中央に、

綺麗な空間だけが残った。


風が吹き抜ける。


誰も声を出せない。


そして数秒後。


「うぉぉぉぉぉぉ!!?」


大絶叫。


「道が開いた!!」

「嘘だろ!?」

「復旧したぁぁ!!」


商人たちが狂喜乱舞する。


輸送隊長は腰を抜かしていた。


「は、はは……」


笑うしかないらしい。


騎士たちまで呆然としている。


「工兵部隊が要らない……?」


「いや、いるだろ」


俺は即否定した。


「細かい整備とかあるし」


するとバルクが真顔で言う。


「そういう問題じゃねぇ」


国王は静かに街道を見つめていた。


「物流革命、か……」


小さく呟く。


その言葉に、貴族たちの顔色が変わった。


革命。


つまり、この男一人で、

国の仕組みそのものが変わる。


そう理解したのだ。


---


## ◆ 大商会の登場


その時だった。


後方から怒鳴り声が響く。


「なんだこの騒ぎは!!」


豪華な馬車。


そこから降りてきたのは、

大商会《ゴルド商会》の会頭だった。


王都最大級の物流商人。


彼は開通した街道を見ると、完全に固まった。


「……なぜ復旧している?」


輸送隊長が震える指で俺を指差す。


「こ、この人が……」


会頭の目が、ゆっくりこちらへ向く。


「……君が?」


嫌な予感がした。


商人の目だ。

あれは絶対、面倒事を持ってくる顔だ。


そして案の定。


会頭は満面の笑みで言った。


「ぜひ我が商会へ来ないかね?」

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