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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第十八話 王都の命綱を救え――初任務開始

「局長としての、最初の仕事だ」


国王の言葉と同時に、玉座の間が騒然となった。


「む、無茶です!!」

「土砂崩れですよ!?」

「復旧には数週間かかる!!」


貴族たちが口々に叫ぶ。


だが国王は静かだった。


「数週間も待てば、王都の食料価格は崩壊する」


誰も反論できない。


七割の小麦輸送が止まる――

それは致命的だ。


パン。

保存食。

家畜飼料。


全部に影響が出る。


その時、バルクが小声で言った。


「レクト、お前ならどうする?」


「んー……」


俺は少し考える。


そして普通に答えた。


「輸送路が塞がってるなら、塞がってない場所を通ればいいんじゃないか?」


数秒の沈黙。


貴族の一人が顔をしかめる。


「そんな簡単な話では――」


「馬車なら無理だろうけど」


俺は続ける。


「荷物だけなら別に」


その瞬間。


玉座の間が静まり返った。


……あ。


そうか。

普通は荷物だけ高速移動とか出来ないのか。


国王が目を細める。


「可能か?」


「多分」


「また多分か……」


バルクが頭を抱えた。


国王は立ち上がる。


「よし。現地へ向かう」


「陛下!?」


貴族たちが慌てる。


しかし国王は構わない。


「王都の命綱だ。自分の目で見る」


そのまま、緊急移動が始まった。


---


## ◆ 西部街道


数時間後。


西部街道。


そこは完全な地獄だった。


巨大な土砂崩れ。

潰れた馬車。

立ち往生する輸送隊。

商人たちの怒号。


「小麦が腐るぞ!!」

「王都へ届けられねぇ!!」


現場は大混乱だった。


騎士団が規制線を張っているが、どうにもならない。


その時。


「陛下だ!!」


現場がざわつく。


さらに。


「レクト殿もいるぞ!!」


……なんか俺まで有名になってきてるな。


輸送隊長が駆け寄ってくる。


「本当に何とかなるんですか!?」


「まあ、やってみる」


俺は崩落地点を見る。


確かに、馬車は絶対通れない。


だが。


「別に馬車ごと運ぶ必要ないよな」


俺は潰れた輸送隊へ近づく。


積まれていたのは大量の小麦袋。

王都向け物資だ。


――《収納》。


山のような小麦袋が、一瞬で消えた。


「なっ!?」


商人たちが絶叫する。


さらに、


別の馬車。

保存食。

干し肉。

薬草。


次々と収納。


消える。

消える。

消える。


現場が静まり返る。


輸送隊長が震える声を出した。


「……い、今……何台分だ?」


「二十台くらい?」


「は?」


まだ入る。

余裕で入る。


その時、俺はふと気づいた。


「あれ」


「どうした?」


バルクが聞く。


俺は崩落した岩山を見る。


「これ、岩ごと収納すれば道開くんじゃないか?」


全員が固まった。

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