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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第十七話 平民から王国兵站局長へ――国王の決断

「――お前に、“王国兵站局長”を任せたい」


国王の言葉に、

玉座の間が凍りついた。


「へ?」


間抜けな声が出た。


周囲の貴族たちも一斉にざわめく。


「へ、兵站局長だと!?」

「正気ですか陛下!?」

「国家中枢ですよ!?」


まあ、そうなるよな。

俺も意味が分かっていない。


国王が静かに言う。


「現在、王国の物流は崩壊寸前だ」


空気が重くなる。


「北方戦線の補給遅延。ポーション価格高騰。地方輸送網の麻痺」


……そんなことになってたのか。


「原因は明白」


国王の視線がこちらへ向く。


「レクト、お前が抜けたことだ」


玉座の間が静まり返る。

貴族たちまで黙った。


その時、さっきの太った貴族が青い顔で呟く。


「ま、まさか……本当に一人で支えていたのか……?」


バルクが鼻で笑う。


「気づくのが遅ぇよ」


肩をすくめて続ける。


「こいつ、現場レベルじゃ異常に有能だったからな」


「異常って」


「倉庫整理だけで物流速度二倍にした奴が普通か?」


……そうだったか?


周囲の貴族たちは絶句している。


国王が再び口を開いた。


「レクト」


「はい」


「お前の力は、個人で抱えるには危険すぎる」


危険。


その単語に、空気が変わった。


国王は真剣だった。


「無限収納」

「遠距離補給」

「大型魔物収納」

「大規模輸送」


一つ一つ挙げられるたび、

貴族たちの顔色が変わる。


「この力は、国力そのものを変える」


静寂。


誰も否定できない。


俺自身、最近ようやく理解し始めていた。

このスキル、ちょっとおかしい。


その時、一人の痩せた貴族が立ち上がる。


「し、しかし!!」


焦った様子で叫ぶ。


「平民を局長になど!! 前例がありません!!」


周囲の貴族たちも頷く。


まあ、それも分かる。


だが次の瞬間、第二王女が冷たく言った。


「前例がないのは、“国を救う平民”も同じでは?」


貴族が詰まる。


さらに国王が続けた。


「そもそも」


低い声。


「貴様らは、この物流崩壊を止められたのか?」


誰も答えられない。


完全な沈黙。


---


## ◆ 緊急事態


その時、

玉座の間の扉が勢いよく開いた。


「失礼します!!」


飛び込んできたのは王国騎士だった。

顔色が悪い。


「陛下!!

西部街道で大規模土砂崩れが発生!!」


ざわめきが走る。


「主要輸送路が完全封鎖!

食料輸送隊が立ち往生しています!!」


国王が眉をひそめた。


「被害規模は?」


「王都向け小麦輸送の七割です!!」


空気が凍る。


七割。


それはつまり、

王都の食料供給が止まるということだ。


貴族たちの顔色が一斉に変わる。


「ま、まずいぞ……!」

「王都で食料不足が起きる!」

「価格暴騰するぞ!!」


混乱が広がる。


その中で、

国王だけが静かにこちらを見た。


「……レクト」


嫌な予感がした。


国王はゆっくり告げる。


「局長としての、最初の仕事だ」

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ブラックの始まり。 笑えません。
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