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パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


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第十四話 王城からの招待――追放された荷運びは王国の生命線

王都南商業区画。


つい先ほどまで炎に包まれていた街は、

今は大量の水蒸気に覆われ、白い霧のようになっていた。


「た、助かった……」

「生きてる……」


避難していた人々が、呆然と立ち尽くしている。


消火隊の男たちも、信じられないものを見る顔だった。


「火が……消えた……?」

「こんなの初めて見たぞ……」


まあ、俺も初めてやった。


その時――


「レクト殿!!」


騎士が駆け寄ってくる。


「まだ北側で延焼が!!」


「ああ、分かった」


俺は再び収納を開く。


――《排出》。


空中から大量の水が降り注ぎ、

燃え残っていた建物を一気に鎮火していく。


人々が歓声を上げた。


「すげぇ!!」

「空から水が!!」

「救われた!!」


……なんだろう。

最近、やたら大事になってないか?


隣でバルクが真顔で言った。


「お前、自覚持て」


「何の?」


「国家戦略級だ」


意味が分からない。


◆ 第二王女の登場

その時、煙の向こうから豪華な馬車が現れた。


周囲の騎士たちが一斉に敬礼する。


「第二王女殿下だ!!」


空気が張り詰めた。


馬車の扉が開き、

銀髪の少女が姿を現す。


蒼い瞳。

白を基調とした王族衣装。

年齢は俺と同じくらいだろうか。


だが、纏う空気が違う。


「火災鎮圧は完了したのですね」


澄んだ声だった。


騎士たちが頭を下げる。


「はっ! この者の力によって!」


……嫌な紹介だな。


王女はゆっくりこちらを見る。


「あなたがレクト?」


「そうですが」


王女は数秒黙り、燃え跡の街を見渡す。


そして静かに言った。


「王都を救ってくださり、感謝します」


周囲がざわついた。


王族が直接礼を言うなど、普通はあり得ない。


俺は少し困る。


「いや、たまたま通りかかっただけなので」


「たまたまで王都火災は止まりません」


正論だった。


◆ 元勇者パーティとの再会

その時、遠くから怒鳴り声が響く。


「だから言っただろ!!」


見ると、見覚えのある男がいた。


元勇者パーティ《蒼銀の剣》の戦士、ガルドだ。


鎧はボロボロ。

顔色も悪い。

どうやら王都へ戻っていたらしい。


「ポーション価格が高騰しすぎなんだよ!!」


商人へ怒鳴っている。


「前はもっと安かっただろうが!!」


商人も怒鳴り返す。


「知るか!! 最近は物流が死んでんだよ!!」


その言葉で、ガルドが固まった。


そして、

彼の視線がゆっくりこちらへ向く。


「……レクト?」


空気が止まった。


ガルドは目を見開く。


その視線は俺ではなく――


俺の周囲にいる、


王国騎士

消火隊

王女

大量の人々


へ向いていた。


そして、燃え跡の街を見る。


……察したらしい。


ガルドの顔が、みるみる青ざめていく。


「まさか……」


その時。


バルクがニヤリと笑った。


「ようやく理解したか?」


そして告げる。


「お前たちは、“王国の生命線”を追放したんだよ」

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