表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パーティをクビになった荷運び、実はアイテムボックス容量が無限だった ~王国軍の補給を一人で支えています~  作者: 水原伊織


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/63

第十話 前線へ直接補給――無限収納が戦術を変える

「……これ、前線まで直接出せばいいんじゃないか?」


俺の呟きに、周囲の兵士たちが固まった。


隊長が眉をひそめる。


「何を言ってる?」


「いや、だから」


俺は砦外の戦場を見る。


魔物群と交戦中の兵士たち。

補給兵が必死に矢や回復薬を運んでいる。


だが遅い。

雪で足を取られ、何人も転倒していた。


「わざわざ運ばなくても、必要な場所に直接出せばいいだろ」


数秒の沈黙。


「……は?」


隊長が間抜けな声を出した。


その時だった。


前線から悲鳴が響く。


「第三班、矢が尽きる!!」

「回復薬もない!!」


まずいな。

俺は雪原へ踏み出す。


「お、おいレクト!?」


◆ 前線へ

隊長の制止を無視し、前線近くまで歩く。


兵士たちが魔狼に押し込まれていた。


盾役の兵士が叫ぶ。


「矢を!! 早く!!」


だが補給兵はまだ遠い。

間に合わない。


なので。


――《排出》。


次の瞬間、兵士たちの真横に大量の矢箱が出現した。


「なっ!?」


弓兵たちが目を見開く。


さらに、


回復薬箱。

予備の剣、盾。


必要物資を、戦線後方へ次々と直接出していく。


兵士たちが叫んだ。


「補給が湧いたぞ!!」

「なんだこれ!?」

「回復薬が目の前にある!!」


混乱しながらも、兵士たちは即座に物資を使い始める。


◆ 戦況が変わる瞬間

そこからは、戦線が一気に押し返し始めた。


「いける!!」

「押し返せぇぇ!!」


弓兵の矢が止まらない。

前衛は傷を即座に回復。

武器破損も即交換。


今まで絶対に起きなかった光景だ。


隊長が呆然と呟く。


「補給兵が……要らん……?」


「いや要るだろ」


俺は即座に否定した。


「あの人たちいないと整理できないし」


実際、物資管理はかなり大変だ。

種類も量も多い。

俺一人だと、何がどこにあるか分からなくなる。


「それでも異常だ!!」


隊長が叫ぶ。

周囲の兵士たちも頷く。


「前線に直接補給とか聞いたことねぇぞ!!」

「戦いながら回復薬補充できるとか何だよこれ!!」

「無限に戦えるじゃねぇか!!」


……無限ではないと思う、多分。


◆ 雪巨人

その時だった。


ズシン。


地面が揺れた。


兵士たちの顔色が変わる。


雪原奥。

吹雪の向こうに、巨大な影が現れていた。


「――雪巨人だ!!」


誰かが叫ぶ。


現れたのは、砦より大きな白い巨人。

Aランク級魔物。


兵士たちの顔から血の気が引く。


隊長が舌打ちした。


「最悪だ……!」


雪巨人は、普通の魔物とは違う。

生半可な攻撃では止まらない。

しかも今、前線は消耗している。


だが、俺は巨人を見上げながら、ふと思った。


……あれ。

もしかして。


「かなり大きい物でも収納できるのか?」


その瞬間、周囲の兵士たちが、一斉にこちらを振り向いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ