6-7:新たな問題
私たちはミカンの家に向かう。その道中、カルナとミカンはリシューの人たちに帰ってきたことを伝えていた。リシューに到着した日の深夜。ミカンが寝た後、私たちとカルナは緋炎の祭壇に向かい、炎を灯した。
翌朝、私たちは全員でギルドに向かう。昨日、カルナがノーマンに会いに行った時、全員で来るように言われたという。
「ギルドマスターはミカンの様子が気になっているようで、レイアさんもミカンについて聞かれると思います」
「わかりました」
ギルドマスターの部屋に入ると、ノーマンが仲間たちと一緒に待っていた。
「ミカン、冒険はどうだった?」
「楽しかった!早く冒険者になりたい!」
「そうか。カルナ、いいか?」
「ミカン、ここの依頼掲示板に行って依頼を受けましょう」
「はーい!」
カルナ、ミカン、タマが退室すると、ノーマンが私に尋ねる。
「レイア、ビーストテイマーから見てミカンはどうだった?」
「どうっていうのは…?」
「冒険者になれそうか?」
「冒険者は誰でもなれるんじゃ…」
「そうじゃなくてだ。冒険者として生きていくことはできそうか聞いてるんだ」
──うーん…、私は父さんに色々教えてもらったから心構えができてたと思う。でも…、やっぱりピーちゃんがいたからこそ冒険者になれたと思ってる。だから…。
「ミカンちゃんにはタマがいます。ミカンちゃんは一人じゃないです。二人ならどこへでも行けると思います」
「そうか…、そうだな…。仲間がいればミカンも大丈夫だろう」
ノーマンは自らの仲間たちの方を見ながらわずかに口角を上げてそう言った。その後、ノーマンは魔法国での異変を私に伝える。
「レイア、少し前に魔法国でダンジョンが複数出現したのは知ってるか?」
「それって全部攻略済みだったと思いますけど」
「そうだ。だが最近またダンジョンがいくつか現れたらしい。それから別の問題も出てきた」
ノーマンは詳しい話を私に伝える。別の問題とは、青いモンスターが魔法国で目撃されているとのこと。元々青いモンスターもいるがそうではなく、元々生息していたモンスターが青に染まった見た目をしている。そのモンスターたちの共通点は、討伐しても消えてしまうこと。
「目撃数も討伐数も数は少ないが、各ギルドに通達されていることを考えると大ごとになるかもしれん」
「わかりました」
「上級冒険者には緊急の依頼もあるかもしれんから覚えておけ」
私たちはギルドマスターの部屋を後にして受付に戻る。受付にはカルナが立っており、ミカンとタマの姿は見えない。
「レイアさん、お話は終わりましたか?」
「はい、ミカンちゃんたちは?」
「薬草採取の依頼に行っています。冒険者カードは持っていますが今のミカンは冒険者未満です。簡単な依頼とお金の使い方も教える必要があります」
「仲間が増えると食費がかかることも教えてあげてください」
「心得ています」
リシューに戻ってから一週間。私たちはミカンの家に滞在し、ミカンの薬草採取に同行したり、漁港で氷を作ったりと楽しい日々を過ごした。そして私たちは、リシューからドワーフ国に向かう。溜まったケリュスの角を売り、包丁の手入れや新しい調理器具を見て回る予定。
カルナ、ミカン、タマと一緒に、リシューの北門まで向かう。
「おねーちゃん、また来てね!」
「また来るね」
「レイアさん、ありがとうございました」
「私もありがとうございました!」
ミカンは私の仲間たちと最後の挨拶を交わし、私たちは出発した。後ろを振り返ると、ミカンは大きくなったタマの上に乗り、両手で大きく手を振っている。その隣ではミカンがタマから落ちないか心配そうなカルナの姿が確認できた。
「みんな、ドワーフ国に行きます!」
「おー!」
「おー!」




