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6-5:祭壇

 翌朝、私は眠そうに目を覚ます。目が覚めた時、私は大きなベッドの上で横になっていた。ベッドのそばではみんなが心配そうに私の顔を覗き込んでいる。


「起きた!」

「レイア様、おはようございます」

「おはよう」

「おはよー」

「姫様、おはようございます」

「おはよぉ…。タマモとパーラとノココはぁ…?」

「タマモ殿とパーラ殿は料理を、ノココ殿はそちらに」


 私が隣を見ると、隣のベッドでノココが眠っていた。ノココは私が心配で、みんなが起きるまで起きており、朝食も取らずに眠ってしまったそうだ。私は着替えながら、倒れて大変だったことをみんなから聞く。炎を灯した後に倒れ、ここまで運び終えた後はそれぞれ解散したという。着替えが終わり、ノココの眠るベッドに私が腰掛けるとノココの目が覚めた。


「起こしちゃった?ごめ…」

「バカ…」


 ノココは起きるなり私に抱きつき、小さく何かを呟いた。私たちが寝室を出ると、タマモとパーラが昼食の準備をしていた。


「レイアさん!」

「レイア!」

「おはよう、昨日はごめんね」

「元気そうで安心しました」

「レイアもノココもお腹空いてるでしょ、もうできるから」


 私たちは昼食を取る。少し早い昼食を取っていると、ミカンとタマ、カルナがやってきた。


「あ!おねーちゃん!」

「もぐもぐ」

「それだけ食欲があれば大丈夫そうですね」


 パーラはミカンたちにも昼食を出すと、ミカンは美味しそうに頬張り始めた。ミカンたちの昼食が始まるとすぐに、ホムラたちもやってきた。昼食後、私はミカンたちと緋炎の祭壇に向かう。ピーちゃんが炎を灯したことで、里の中が少し騒がしくなっているとホムラたちが教えてくれた。


 魔法国では青い炎が灯っていた。しかし長命種である鬼人族やエルフ族は、それを良しとしない。長命種なだけあり、フェニックスの炎を直接見たことのある人は多い。そのため、本物の炎が灯ったことで祭壇の周囲には鬼人族をはじめとした多くの人が集まっていた。祭壇に近付くにつれて人の多さがよくわかる。


「人減ったね!」

「え?」

「朝はもっと多かったのでミカンは炎の頭しか見られませんでしたね」

「近くで見たい!」


──今でも多いと思うけど、もっと多かったのかぁ…。


 私たちは人がはけるのを待ち、緋炎の祭壇のすぐ近くまで行く。


「あんまり熱くないよ?」

「この優しい温かさこそがフェニックスの炎なんですよ」


 ミカンは炎を間近に見て満足したのか飽きたのか、カルナと一緒に里を回る。私たちは二人と別れてギルドに向かった。


「レイアさん、起きたらギルドへ来るようにかえでさんが言っていたのでお願いします」

「わかりました」


 ギルドに到着し、受付のむさしに声をかける。


「むさしさん、こんにちは」

「おお、炎は見たか?」

「はい」

「反応が薄いな…」

「あの…、かえでさんが呼んでるとかで…」

「そうだったな、応接室に行ってくれ」


 私たちはギルドの奥にある応接室に向かう。応接室の扉をノックするとかえでが出迎えてくれた。


「レイアさん、お体の方はいかがですか?」

「大丈夫です」

「どうぞ中へ」

「あ、レイアちゃーん、元気ー?」


 かえでとミーティアが話していたのは私について。私の使命は、緋炎の祭壇にフェニックスであるピーちゃんの炎を灯すこと。当然エルフ国にもあるので、私たちが次に向かうのはエルフ国。そしてそのまま水鏡国まで戻る。来た道を戻ることになるものの、ミカンとカルナのことを考えるとそれが一番良い。


「ということで、みんなでまたエルフ国に帰ろうねー」

「は、はい…。あのかえでさん、あやかさんとたいちさんは?」

「里の中を回っています。炎が灯ったことで騒ぎが起こらないとも限りませんので」


 私たちはギルドを後にし、買い物に向かう。数日中には出発したいとのことなので、準備を整えておく。買い物を終えて福々堂に戻ると、あやかとたいちが待っていた。


「あやかさん、たいちさん、昨日はすみませんでした」

「お体は大丈夫ですか?」

「はい!」


 その後、私たちはお茶やお菓子を食べながら二人と話をした。数日後、エルフ国へ出発。出発したのは私たちに加え、ミーティア、ミカン、タマ、カルナ。鬼福の里のみんなに見送られ、私たちはエルフ国を目指す。


「カルナちゃん、今回も野宿は…」

「同じです」

「はーい…。あ、レイアちゃんっていうかタマモちゃん。油揚げ、またたくさん作っておくように連絡してあるから」

「ありがとうございます!」


──油揚げでお金なくならないかなぁ。


 一週間後、私たちは翠樹都市シルバンに到着し、ミーティアの家に向かう。家に入り、私たちはいつもの部屋で休憩を始めた。ミーティアは帰ってきたことを伝えるために、そのまま仕事をする家へ。部屋でくつろいでいると家の扉が開く音が聞こえ、その直後に部屋の扉がノックされた。カルナが開けると、そこにいたのはノエルとステラ。二人ともカルナを見て驚いていたが、どこか安心したのか、笑顔になった。


「カルナ、おかえり」

「おかえりなさい」

「はい…」

「おかーさん、大丈夫?」

「大丈夫ですよ…」


 突然泣き出したカルナを心配し、ミカンはカルナのところへ行く。カルナはミカンの頭を撫で、ノエルとステラを部屋に入れた。


「レイア、久しぶりだな」

「ノエルさん、ステラさん、お久しぶりです!」

「レイアさんに頼んで正解でしたね」

「なにか頼みごとがありましたか?」

「いや、こっちの…、師匠!?」


 ノエルはアカマサを見た途端叫び、驚く。ステラもアカマサに驚くが、ステラは人の姿になっているノココに注目する。


「レイアさん、そちらの方は?」

「新しい仲間のノココです」

「お仲間ということは…」

「タマモと同じです」


 ステラはカルナに頼み、買い物を口実にミカンを連れて席を外してもらった。その間に、私はノココとアカマサ、そしてピーちゃんの説明をする。


「そうか、フェニックスになったか」

「ノエルさんとステラさんが耳に付けてる羽根って、ピーちゃんのですよね?」

「そうです。あれは私たちがまだB級冒険者になった頃でした」

「あの時は叱られたな」


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