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6-3.5:ルル視点

「あれ…?ここは…」


 私は二階の自室で目覚めた。水のようなものをぶつけられて眠ってしまったことだけは覚えてる。頭はまだはっきりしてないが、私にはカルナを叱りつける権利があり、義務でもある。


 おぼつかない足取りで階段をゆっくりと降りると、サクヤがみんなを連れてくるのが見えたので降りるのをやめた。サクヤがみんなを案内したのは、お店の奥で私たちが作業や休憩をする部屋だった。


 レイアたちが泊まる部屋と比べると圧倒的に狭いが、作業部屋も兼ねてるからそれなりに広い。私は階段の踊り場に隠れながら、そこでの話を盗み聞きすることにした。


「連れてきましたよぉ」

「あの部屋より狭いけど許しておくれ」


 全員が座るとホムラは話を始めた。


「まずはあの女の子から聞こうかね」

「あの子はミカンです。赤子の頃に両親を失い、私が母親代わりとして育てています。そしてあの白いモンスターは、ミカンが使役しているタマです」


 ホムラは次にレイアについて尋ね、カルナはそれに答えていった。その答えを聞いたたいちとあやかは、驚きと心配が入り混じったように言葉を発する。


「レイアさんが…」

「そんなことがあるのか…」

「カルナ、他に言っておくことはあるかい?」

「私が知っているのはそれだけです。それよりルルさんは?」

「あいつは上で寝てるよ」


 話し合いが一時的に終わると、店の方からフォルスがやってきた。


「フォルス、悪かったね」

「いつでもいいそうだ」

「明日の朝って言ってきてくれるかい」

「わかった」


 フォルスが店を出ていくとサクヤが口を開いた。


「今回は何日かかるんでしょうねぇ」

「それはあの二人次第になるね」

「みなさん、なんの話をしてるんですか?」


 カルナがそう言うと、かえでが答える。


「レイアさんの『覚醒』です」

「その話でしたか…」

「メリアさんからお聞きに?」

「話だけは…」


 その日、私は二階の自室に籠もり、寝たふりを続けるしかなかった。翌朝、ホムラが朝食を私の部屋まで運び、レイアの覚醒の話を始めた。


「ルル、レイアなんだが…」

「覚醒でしょ」

「誰から聞いたんだい?」

「昨日話してるの聞いてた」

「そうかい。ルルも来るかい?それとも…」

「行くわよ!ただ…、見送ったあとはカルナを貸してほしい」

「大丈夫なんだね?」

「覚醒するなら掃除しないとダメだからカルナと二人でやる。それに…、カルナはあの部屋に入ったことないから」


 翌朝、ピーちゃんとレイアが森に向かった後、私はカルナと二人で店に戻る。


「ルルさん…、どこに…?」

「黙ってついてくればいいのよ」

「は、はい…」


 私は店の奥の奥。レイアたちが泊まっている部屋の右隣の扉に、カルナと一緒に入っていく。カルナは扉の先にある不思議な光景の正体を私に尋ねた。


「ルルさん…、ここは…?」

「ここは歴代の巫女とその仲間が眠ってるところよ」


 私の言葉ですべてを察したのか、カルナは涙を流し始めた。


「泣いてる時間なんてないわよ!レイアが帰ってくるまでにここの掃除を全部終わらせるんだから」

「は、はい!」


 私はカルナと掃除を進め、最後のお墓の掃除に取り掛かる。最後のお墓に眠るのはメリアとその仲間。掃除を始める前に、私はそれをカルナに伝える。


「カルナ、このお墓なんだけど…」

「メリアさん、ですか?」

「わかるの?」

「この部屋に入った時から、ここから視線のようなものを感じていました」

「カルナのこと待ってたのかもね。一回も会いに来ないでさ。かえでは近いからくるけど、一緒に冒険したカルナに来てほしかったんじゃない?」


 私がそう言うとカルナは泣きながらお墓に向かって謝罪をし、掃除を始める。私も少しだけ泣きながら掃除をして、メリアたちのお墓は他よりも少しだけ綺麗な仕上がりとなってしまった。


「この部屋は誰でも入れるわけじゃないの。でもカルナはいつでも入れるから。水鏡国に引きこもってないで、メリアに会いに来なさいよ。カルナも仲間なんだから」

「まだ…、仲間と呼んでくれるんですか…?」

「当たり前でしょ!たくさん迷惑かけられたけど、カルナも仲間に違いないわよ」


 私たちは二人で号泣し、落ち着いた頃に部屋から出た。


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