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4-11:工房

「ここがババアの工房だよ」


 私たちはギルドを後にし、キリの工房にやってきた。ギルドで包丁の出来を見たパーラが、他の調理器具も見てみたいと言って案内してもらった。


 パーラが仲間になってから私が料理をすることは少なくなったが、興味はある。タマモも料理が好きなようで、調理器具には興味を示していた。


 包丁とナイフはいい値段だったが、ケリュスの角の粉末の値段が入っていないので安い部類とのこと。


──このおばあさんの調理器具は高いんだろうなぁ…。


 キリの工房には店舗が併設されており、店舗の奥に工房がある造り。店舗に人はおらず、工房ではキリの弟子達がせっせと何かを作っていた。店舗は広いわけではないので、ハドック、ケリュス、リオンの三人は外で待機。


「普通の冒険者ならこんな店に来ないからね。まあゆっくり見ておくれ」


 そう言って、キリは工房に消えていった。


「パーラ、どれがいい?」

「ゆっくり見せて」


 パーラを背中から降ろして自由にする。四本の触手を器用に使い、店舗内の調理器具を物色し始めた。


「勝手に収納しちゃダメだよ」

「しないわよ!」


 私はパーラが勝手に収納しないか監視しつつ、調理器具を眺める。


「色々あるね」

「でも全部は買えないわね」

「包丁とナイフを作ってもらったからね。どっちもすごい出来だよね」

「私のコレクションに加えてもいいほどよ」

「ちゃんと使ってよね?」


 物色を続けた結果、買いたいものが決まった。


「欲しいものはあったかね?」

「これが欲しいです」


 パーラの欲しいものは鍋。リオンの食べる量が多くなり、料理の回数が以前より増えたので、鍋を増やして対応する。


──高いなぁ…。これ一つで、今持ってる鍋三つ買えるよ…。


「鍋を二つだね?」

「は、はい」

「ありがとうね。ああ、そうだ。包丁だけどね、なにかあったらババアのところまで持ってくるといい。生きてる間は面倒みてやるよ」

「ありがとうございます!」


 私はお金を支払い、パーラに二つの鍋を収納してもらう。そしてキリに感謝を述べ、北門からフェクトールを出発した。


 鍛冶都市フェクトールを出発してから一週間後。関所を抜け、南門から鬼福の里に入る。


「まずはホムラさんたちに会いに行かなきゃね」

「うん!」


 私たちは福々堂を目指す。


「こんにちは」

「いらっしゃ…、おや、早かったね」


 出迎えてくれたのはホムラだったが、忙しそうな様子。


「忙しいんですか?」

「少しだけね」


 私たちはホムラと奥まで行き、他の三人に戻ってきた報告をし、さらに奥にある部屋に向かう。部屋に入るとタマモは人の姿になり、私とタマモは長机のイスに座る。みんなも各々の定位置で休み始めた。


 私たちが休んでいると部屋の扉がノックされた。私が扉を開けるとそこにはルルがいた。


「ちょっとタマモ借りていい?」

「いいですよ」


 ルルはタマモを連れてお店の方に向かい、夕食の時に戻ってきた。夕食は最初に来た時と同じく豪華だった。夕食後、私はパーラに村の野菜を取り出してもらう。


「おお!これがハーベ村の野菜か!たくさん持ってきたな!」


 フォルスは野菜を見るなり少し興奮している様子。


「こんなにいいのかい?」

「はい。タマモのこともありましたし、ご飯とか、こんないい部屋を使わせてもらってるので」


 フォルスはホムラから鞄を受け取り、笑顔で野菜を詰め込んでいく。


「今回はどれくらいここにいられそうなんだい?」

「それなんですけど…」


 私はハンナが妊娠していることと、出産が近いことを伝える。そして、ここからハーベ村まで三週間は見ておかなければならないことも伝える。


「それはめでたいね」

「なにか用意してやるか」

「赤ん坊なら寝巻きでしょうねぇ」

「それよりレイアの服でしょ?」

「そうだね。レイア、明日はタマモを一日借りるけどいいかい?」

「わかりました」


 翌日、タマモは朝食後にホムラたちとお店に行き、私たちはギルドに向かう。依頼だったものの、あやかとたいちがどうなったかを早く確かめたかった。


──私たちより先に村を出発してるし、メイカルトにどれくらいいたかわからないけど、先に着いてると思うんだけどなぁ。


 ギルドに入ると、受付にいたむさしが私たちのところに急いでやってきた。


「レイア!よくやってくれた!」

「え?」

「ここだとあれだな。ふうかのところに案内しよう」


 私たちはギルドマスターの部屋に案内された。むさしはノックもせずに扉を勢いよく開ける。そこには書類と戦っているふうかがいた。


「ふうか!レイアが来たぞ!」

「レイアさん!…ではなく、むさし!嬉しいのはわかりますがノックはしてください」

「すまん」

「レイアさん、どうぞおかけください。むさしは報酬の用意を頼みます」


 むさしは報酬を用意するため、満面の笑みで部屋から退室。むさしが退室すると、ふうかが座るように促し、私はソファに座る。私が座ると対面のソファにはふうかが座った。


「レイアさん、この度は大変お世話になりました。私からの依頼を完璧にこなしていただいたようで」

「あやかさんとたいちさんはどうなりましたか?」

「二人は十日ほど前に帰ってきました。ここに顔を出した後、族長のところへ行きました」

「二人に会えませんか?」


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