5
目指すべき街の駅で降りた二人は、喫茶店を目指します。
「なぁ、ロージー。僕と別々なものを注文して、半分ずつ食べないか?」
喫茶店の前で突然そんなことを言われて、ロージーは戸惑いました。
だってまだ、なにも注文していないからです。
「それもいいかもしれないわね」
だけど、ロージーもいろんなものを食べたくなってきましたので、アランの提案にしたがうことにしました。
カランコロン、とかわいらしいドアベルが鳴り響くと、アランは空いている席までロージーを案内します。
やがて、ウェイターが注文を取りにきました。
「僕はクリームソーダとパンケーキ。ロージーは?」
「わたしは、オレンジジュースとチーズケーキをお願いします」
まだ小さいのに、ちゃんとした喫茶店にいるのが夢みたいで、お姉さんになったように気取って言いました。
「それもいいな。ねぇ、それらを半分ずつ取り分けて運んでもらうことってできる?」
アランはウェイターに注文をつけると、彼がうなずくのを確認しました。
「かしこまりました。しばらくお待ちください」
ウェイターはこの小さくてかわいらしい二人を安心させるようにやさしくほほえみかけました。
「なぁ、パンケーキってどんなだろう? 僕、はじめてだよ」
「あら? 言ってくれればわたしが作ってあげたのに」
いつもはアランの後ろを歩くようなロージーでしたが、この時ばかりはアランより年上になったような気分でした。
「ちぇっ。ロージーにいいところ見せたかっただけなのに」
ですか、それでもロージーはアランがなにに腹を立てているのかわかりません。
つづく




