↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破滅世界の俺、エルフ。(2025.12)  作者: MAYAKO
第二章 西への旅

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/146

第二三話 ビジョン再び        

今晩は。

投稿です。


(ち、父上、め、眼が離せません、心の臓が早鐘を打ち、まるで我がことのように……父上?)


 口元に手をあて、こちらを真っ赤なお顔でガン見している滝夜叉姫さま。


(はっ!?い、いかん!わしも魅入ってしまった!なんとも危うくも気高い抱擁、まるで星の恋、牽(けん)と織(おり)のようではないか)


 悲しそうな白鳥さんの目。

 いや悲しい目だ、泣いているし。


 ここで俺は躊躇(ためら)った。

 躊躇(ちゅうちょ)したのだ。


(俺は白鳥さんに惹かれる。でもこの感情はエルフの感情で、俺の感情ではないのでは?白鳥さんはどうだろう?俺に対して愛情を示してくれるけど、その感情は前世の『姫』感情で白鳥さんの感情ではないのでは?)


(トリは何やら勘違いしているようだな?)

(何をです?父上?)


 パキッ!


(え?父上?)


「!?」


 門王さまを奉っている大きな鳥居から、音がした。


 小さな音だけど、その音だけで充分!

 俺の意識はブレるほど揺さぶられた!

 目眩と同時に世界が広がる!


 またビジョンだ!

 今度は何を見せようと?


 夜?


 ピン!

 直感!俺が目覚めた夜!?


「はぁ」


 白鳥さんの溜息?


「どげんしたとね?白鳥さん、トリのヤツ、目覚めたばい」


 白鳥さんに歩み寄るオトネ。


「…オトネくんかぁ」


「?……おっじゃいかんとね?」


「トイレ友達が欲しい」


「は?」


「ふふっでは私が」


 あ、鈴木さん!

 闇の中から現われる、杖をついたお婆さんが一人。


「はぁ、嫉妬するよ白鳥さん!」


 あ、口調があの頃の鈴木さんだ!


「え?」


 この二人、話し出すと時間が戻るらしい。

 そう、あの頃の二人になるのだ。


「嫉妬?」


「そう、私はもうお婆ちゃん、球磨本への旅にも参加出来ないわ」


「そ、それは……」


「それで?なにか悩み事?これでもとんでもない苦労をしてきたのよ?聞いてあげるわよ?この長老さまが!エッヘン!」


「鈴木さんの大変さに比べたら……」


「それでも悩みでしょう?」


「……身長、体重だけではなく、年齢も上回ってしまった」


「ああ、トリくんかぁ」


「なんね、そげんこつね」


「こら!オトネくん!白鳥さんにとっては譲れないことなのよ!」


「そぎゃんね、おっには分からん」


「小さいときは、トリくんが上だったのに」


「え?いつの話し?」


「保育園だったかな?幼稚園だったかな?」


「そのころから?」


「小学生?とにかく小さかった頃」


 ……いつの話しだ?すまん、白鳥さん、俺憶えていない。

 いや、それ俺か?


「私が怪我したとき、多分手だった、薬指。ここを紙で切ったの」


 あ、あの痛いヤツだ!


「「ほうほう」」


 器用にハモるオトネと鈴木さん。


「それでビックリして、痛くて泣いていたら、トリくんが『ばんこうそう、ばんこうそう』って叫びながら先生を呼びに行ったの」


「「ほうほう、それで?」」


「トリくん、途中の階段で転んで怪我して」


「「は?」」


「救急車で運ばれたんだけど」


「「は?」」


 何やってんだ!?俺!?


「それでも、私の『ばんこうそう』が先だって言ったらしくて」


「「は?」」


「トリくん、忘れていると思うけど、肩に三針縫った痕があるはず」


 !?


 確かに痕はある!でもこれは!?


「はぁあああ!?よ、よく憶えているわね?鳥庭くんは知っているの!?」


 だよね、鈴木さん。

 すまん、俺は憶えていない、それホントに俺か?痕はあるけど?


「多分、憶えていないと思う。あれ、トリくんだと思うんだけどだんだん記憶が曖昧になって……それも悲しくて……」


次回サブタイトルは未定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。