第一五話 観蛇へ
今晩は。
投稿です。
「凄い人気だな」
「そぎゃんたい、なんさま昔から居らす神さんみたか存在だけんね」
「皆、動くとは思ってみなかったとか?」
チラリと俺はアンキロちゃんを見る。
背中に子どもが3人ほど乗っている。
大人達は止めようとしているが?
「アンキロちゃんは信仰の対象だったとよ」
あ、なんか分かるかも。
「英雄と共にこん街や、海沿いや山沿いの街ば守ったお話しの中の神獣たい。みな子どもん頃から話しば聞いとる」
そう、今の時代、皆直感力が強く、精霊は飛び交っているし、ゴブリンとかザリガニのような怪物はウジャウジャいるし、昔よりも目に見えない存在が身近なのだ。
アンキロちゃんだって素直に受け入れられているし。
昨日の雲の中の龍だってそうだ。
「ああ、伝説の神獣、大人はバチが当たるのではないか、と心配しているとか?」
「そげんところたい」
「ふふっ、アンキロちゃんは喜んでるけど?」
「だよね白鳥さん」
「きっと、子どもを叱ったり、遠ざけようとすると逆に怒りそう!」
アンキロのつきまといにも、イヤな顔しない白鳥さん。
ああ、もしかしてお見送りの時にいた、あのデカいネコを思い出したのかな?
しかし、こいつ歩くのが遅いっ!
球磨本までついてくるのかな?
俺達を守れとか陽野に言われているらしいが?
「ん?」
アンキロと目が合った!?
ゆっくりと身を起し、子供達を滑り台のように降ろすアンキロちゃん。
……うわっ!?……
……わぁ!滑り台っ!……
……もう一回っ!もう一回やって!……
なんだ?
俺をじっと見ているけど?
「!?」
アンキロザウルスはなんと腕?前足?と後ろ足をカメのように引っ込めた!?
「え!?」
……わっ!?……
……な、なんだ!?……
そして?
「!?」
なんと蛇のようにシュッと動いたぁ!
その動き、速いのなんの!
白鳥さんの周りを一回りし、オトネにトン!と軽くぶつかり、俺の足を重り付きの尻尾で軽く払う!
ドシン!
回避出来なかった俺は、その場に尻餅をついた。
「え?」
速すぎないか!?
遙か前方で俺達3人を眺めるアンキロちゃん。
「フッ……アンキロ、アンキロ」
え?今笑った?
「あ、あいつ今、鼻で笑ったぞっ!」
俺は叫んだ!
だが俺の叫びより速く白鳥さんが動いた。
見事な走りである!
獣人族+短距離選手。
アンキロちゃんと観蛇までの競争が始まった!
次回サブタイトルは 第一六話 表彰台は3位まで の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




