第一一話 泣いてばかりもいられない
今晩は。
投稿です。
「ありがとう」
俺は皆に礼を言った。
あの無造作に置かれた石の下に、アイツらが眠っているのか?
信じられない。
しかし、感謝した。
そして謝った。
すまん、大変だったなぁ。
俺に、今の俺に何が出来るだろう?
皆が帰りたかった球磨本へ帰る、それだけでいいのかな?
「……オトネ」
「なんね?」
「松田さんはどうなった?」
騒がしかった周囲が、松田さんの名前を聞くと、しんっと静まった。
「……松田さんは……広宮島に……」
「え?」
「広宮島へ向ったとよ」
ま、松田さん!?
「ど、どうなった!?無事に着いたのか!?……無謀……だろ……」
異世界の記憶があるとは言え、怪物どもが溢れ出ているんだ。
武器は?戦略は?食べ物は?
準備は?
覚醒の度合いは!?
早すぎないか?
「……お爺ちゃんやお婆ちゃんが心配と言って、向ったとよ」
「まさか一人でか!?」
「向ったとは松田さん、西さん、コマたそ、コマたその婆ちゃん」
「え?あ、あのお婆ちゃんも!?」
「そげん聞いたとよ、語り部、話しばしなっせ」
「松田様について伝わっているのは、祖母、祖父、がとても心配でどうしても故郷に向いたいと」
松田さん、広宮島の皆に愛されていたからなぁ、お好み焼き食べてる時そう感じたよ。
「二年後、西様だけが帰ってきました」
「!」
西さん帰ってきたんだ!
「そ、それで!?」
「西様は重傷で、丘山の戦士5名が運んでくれました」
「丘山?」
「はい、そこには恐ろしい大鬼がいるそうで、松田様達は丘山の戦士達とそれに挑み、敗れたそうです」
「!」
「そこで松田様は行方不明になったと」
「はい、そう聞いております」
「お婆ちゃんは?」
「コマたそとコマ祖母さは傷を負いながらも戦っていると」
「運んできた戦士達は?」
「西様を届けると、戻って行きました。ただ、松田様を助けに行くといい、寄田様が同行されました」
「寄田さま?あ、あのお爺ちゃん!?それで?」
「それっきりです、こちらから数名の戦士を送りましたが、途中の魔物も活性化しているらしくどうなったかは……」
「……西さんは?」
「種で一年、眠られました。回復されると、西の国の情報を多く残され、松田様を探しに……助けに行くと言われそのままです」
壮絶、という言葉が浮かび上がった。
「……トリ、どげんしたとね?」
「オトネ……白鳥さん、用意はいいかい?」
「え?」
「明日、門王にお礼を言って、そのまま旅にでる。球磨本を目指す」
「急ぎすぎたい、トリ!ちと待て!」
次回サブタイトルは 第一二話 焦るな、止める者が現われた の予定です。
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