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破滅世界の俺、エルフ。(2025.12)  作者: MAYAKO
第二章 西への旅

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第一〇話 お芝居もある     

今晩は。

投稿です。


「以上、戦士陽野と戦士本多の悲恋、エルフ様の前で披露できたことを嬉しく思います」


 悲恋かぁ。

 ……お前ら……みどり、ひかり……陽野に本多さん……俺を、俺達を置いてどこに行ったんだよ!

 俺にとっては昨日のことだぜ、目が覚めて起きたら……


 ああ、なんかこんな話しの昔話、あったよな?

 そう、浦島太郎だ。

 玉手箱を開けたら、歳を一気にとるんだ。

 乙姫様が、『歳』を玉手箱に封印してくれていたのに、あいつは開けてしまった。


 俺は周りを見る。


 オトネ、白鳥さん、老いた鈴木さんと満岡。

 この世界で、生きていくしかないんだな。


「心打つ口伝、ありがとうございます。よくぞ残してくれました、心から礼をいいます」


 俺は深々と頭を下げた。


 ……!……

 ……エルフ様の言葉だ……

 ……我らに礼を……

 ……我らの先祖と共に、異界の悪鬼を討った英雄……


「エルフ様、私達こそありがとうございます。今こうしているのは、エルフさま達が戦ってくれたお陰。私達はオトネ様、白鳥様、エルフ様には特別な思い入れがあります……」


「ありがとう、でも俺は戦って負けてしまった。残ったひかりや緑、陽野や本多さんの苦労はとんでもなかったはずだ、今があるのは、彼らのお陰だよ」


「みな、必死に頑張ったけん今があっとよ……」


「ん?なんだいオトネ?」


「実は芝居もあるとよ」


「え?」


「毎年一回、街をあげての一大イベントたい。ひかりや緑が始めたらしか」


「……どんな芝居だ?」


 ひかり?みどり?俺はイヤな予感しかしない。


「タコ足との戦いから始まり、ひかりと緑が大地に帰るまでの一幕たい」


「……キャスティングは?」


「女若衆で一番胸のデカいのがひかりの役たい」


「……(ひかりいいいいいっ!)」


「んで、男若衆で一番背か高いのが緑役」


「……(みどりいいいいいっ!)」


「ほっで……」


「わかったよ、一番背が低いのが俺の役だろ?」


「そぎゃんたい、ようわかったね?」


 あいつらっ!

 ああ、アイツらの笑っている顔が、一瞬見えた気がした。

 俺は目の前にある石に手を合せ、呟いた。


「やってくれたな、ひかり、みどり!一緒に笑いたかったよ……ぐすっ……」


「うっ……うっ……」


 白鳥さんの嗚咽が聞こえてきた。


次回サブタイトルは 第一一話 泣いてばかりもいられない の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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