第五五話 非日常 崩れゆく世界
今晩は。
投稿です。
シャツとスカートの間から、茶色のモコモコした短い尻尾が、はみ出している。
ぴこぴこ。
可愛く動く茶色のそれ。
「!?」
俺は驚いて白鳥さんを二度見する。
耳が!?
白鳥さんの耳は頭部に移動し、異様に長くなっていた。
フサフサの獣毛に覆われていく白鳥さん……これは……!?
白鳥さんはゆっくりと自分の両手に目を落とす。
「……え?」
その両手は白と茶色の毛が密集し始め、爪が太く鋭くなっていく!
「……あ、夢で見たとおりだ……」
「夢?」
夢で見た!?
そう、俺も夢で見ている!異形の白鳥さん!
そこに、ザリガニのような怪物がザザッ、と寄って来る!
どう見ても好意的には見えん!
「白鳥さんっ!」
俺は叫ぶと同時にそのザリガニを蹴り飛ばした!
ベキィイイイイイイ!
沢山の脚?手?を撒き散らしながら宙に舞う怪物!
……俺って、異常だな。
なんだこのパワー!それにとんでもなく速く動いている!
ワンワンッ!
犬が咆えている?
散歩中だったのだろうか?お婆さんが倒れている?
そこに群がる緑色の鬼。
何かが耳元で囁いたような、気がした。
……そう、あれは鬼、ゴブリンだ……
ああ、彼奴らゴブリンだ!
その小さな犬はしきりに吠え、ゴブリン共を威嚇しているが、あまり効果は無さそうだ。
お婆さんはリールを外し何か叫んでいる。
……あ、あんただけでも、お逃げ……
間に合うか?俺は両脚に力を込めたが、後で悲鳴が聞こえた!
緑がザリガニに脚を斬られた!?
「向こうは、私が行く!」
そう言い残すと、白鳥さんは一瞬でお婆さんのところまで移動した!
まさに飛ぶように走ったのだ!
群がるゴブリン共を蹴り飛ばし、投げ飛ばす白鳥さん。
でも数が多いっ!
緑に襲いかかるザリガニを粉砕し、白鳥さん!応援にっ!
ちっ!あのばあちゃん!間に合うか!?
そこで異変が起きた!
子犬が、ひっくり返ったのだ!
そうとしか言いようがない、あの現象!
グレンと子犬は裏返り、角のある真っ白な生き物生まれ変わる!
猛然とゴブリンどもを薙払う白い生き物!
でけぇ!2mはあるぞ!
それは犬というより……獅子?
あ!
狛犬だ!
ゴブリンどもを殲滅し、威風堂々と俺を見返す!
そしてお婆さんの襟を咥え、トコトコと俺に走り寄るコマさ……狛犬。
取敢えず、お婆さんを受取り、狛犬を誉める!
「よくやったなぁ!えらいっ!」
頬を撫でる俺。
ヲフヲフ。
あ、嬉しそう。
そして白鳥さんが俺の横に立つ。
異形の白鳥さん。
長い耳、丸いかわいいしっぽ。
その姿は。
「ウサギ?」
光が叫んだ。
「私、毛むくじゃらだよ……ねぇ光、私、かわいい?」
悲しそうに聞く白鳥さん。
ショックだろうなぁ。
それは獣人だ。
だが光の返事はとんでもかった。
「いや、カワイイと言うより、セクチー?」
え?セクシ?
「なが耳、フサフサ尻尾、ウエストは細くなっているし、なに?その、でかチチ!いつ大きくなったのよ!脚だって長くて細いっ!ずるいよっ!」
それって……あれだよな。
「……バ、バニーガールじゃないもんっ!」
国立肥後六花高校の男性陣の目は、白鳥さんの揺れる胸に集中する。
……緑、お前足、切られたよね?痛くないの?
次回投稿は未定です。




