第五四話 非日常 溢れ出すもの
「トリッ!起きろっ!」
緑の声。
いや目覚めているが?
ああ、起き上がれと言うことか?
……ひめい?
怒号。
そして……血の臭い!?
俺は一瞬で跳ね起きる!
倒れていたのは俺だけか!?
俺の他、9名!全員いる!
「え?と、鳥庭くん!?」
……ト、トリ!?……
……な、なにっ!?……
皆の黒い目は怯えていた。
俺を見る目がおかしい、目を見開き、その目には恐怖さえ感じる。
なんでそんな目でるん?
ドゴオオオオオオオオオオンッ!
轟音が聞こえた!
俺達は身を竦め、発生方向を見る。
大きく崩れ去るビルディング!
「え?」
空からは無数に煙り?が落ちてきている!
煙は周囲のビルに降り注ぎ、その風景はまるでCGか特撮映画だ!
ゲームの世界?これは現実ではない!
な、なにが落ちてきている?隕石?
「……お前、トリか?」
「は?何を言っている?オトネ?それより……!?」
喧嘩しているのか?遠方で誰か争っている!?
そこには緑色の人間?がいた。
なんだ?コスプレか?
「トリ!早く逃げるぞ!」
「え?」
「ま、まって瑞紀が!?」
白鳥さんは口元を抑え、倒れ込んだ。
あ、俺と同じ状態か!?
あの身体の内側が、ひっくり返るような激痛と精神的な、なんて言おうか重圧?
途轍もない苦しみなのだ!
「!?」
そこに、緑色の人間モドキが襲いかかってきた!
緑色の肌、爪はナイフのように長く鋭い!
その頭には、にゅぅ、と角が1本!
鬼?鬼にしてはイメージ敵に小柄だ!小鬼か?
目は赤色で、牙が鋭い!口元や目から何やら緑色の体液を流している?
何でそんなヤツが背広を着ているんだ!?
ガアアアアッ!
2m程飛び上がり、白鳥さんに……させるかっ!
俺は瞬時に移動し、飛びかかるそいつを蹴り飛ばした!
「み、皆っ!こ、国立大美術へ!急げ!」
オトネが叫ぶ!
「何でだよ!」
緑が聞き返す!
緑は光を守って、勇敢にも緑色の化け物にタックルをしていた!
「ぶ、武器がある!日本刀!槍!つ、使える武器があるはず!」
俺は緑と光を掴むと後方へ投げた!
「わっ!」
「きゃっ!?」
陽野とオトネがどうにか受け止める!
次々に現われる緑色の化け物達。
なぜか俺は、その化け物達より早く動けた。
だが、数が多い!
そして大地からは、ザリガニのような爪のある化け物が這い出てきた。
大きさは2m?
数はウジャウジャと数え切れないほど!
回りの人達も俺の所に集まってくる!
……緑色の怪物?なんだこいつらは?……
……なんだあのハサミのある生き物は!……
……どうなってんだ!?……
……向こうでは人が喰われているぞ!……
……と、とにかく走ろう!……美術館へ!……
「は、班長!班長!?」
「どうした!?鈴木さん!」
「み、瑞紀が!」
「え?……白鳥さん!?」
ゆっくりと起き上がる、白鳥さんらしき人物。
彼女は輝く銀色の眼で、俺を見た。
「……み、瑞紀?」
みんなが白鳥さんを見る。
「え?尻尾!?」




