第六九話 番外篇 北からの訪問者 後編その2
今晩は。
投稿です。
……なぜそこまで花の都に拘る?……
「待っている人がいるんだ!」
……お前の妄想だ……
……みすみす死ぬと分かっていて、街の外に出すわけにはいかない……
「はん!それこそ妄想だ!私は必ず生きて花の都に辿り着く!」
ゾロゾロと増え出す大人達。
「……百人組手でもさせる気か?……ん?百人組手ってなんだろ?お婆ちゃんの記憶かな?」
そう言って矢を折り、引き抜くティブイ。
「ぐっ……これしきで止まれるか!」
その時、大人達の一角が崩れた!
……ぎゃっ……
……うがっ!?……
「こっちだ!ねぇちゃん!」
「ベニトラ!?」
「なんだ!大人がこんなに大勢で!お前ら!恥ずかしくないのか!」
そう言って、次々に周囲の者達を蹴り飛ばし、氷の魔法で吹飛ばし、道を作るベニトラ。
「ねぇちゃん、ここはオリに任せて先に行きなっ!」
「え?」
「へへっ、かっけーだろ!一度言ってみたかったんだぁ!このセリフッ!」
むん、と構えるベニトラ。
「子供をイジメるとは何事だっ!お前ら全員ナマハゲ一族の名前、返上しろっ!」
……!……
……なっ、何だと!……
「なりは小さくても当たると痛いぇぜ!このデカブツども!」
一斉に動き出す大人達!
「ひひっ!くらえ!ばぁちゃん直伝!氷・雷・風・切!」
一言づつ印を切り、ベニトラは魔力を開放する!
それは、ベニトラを中心に扇形に広がる氷と雷と風の混合魔法だ!
ドゴオオオオッ!
闇夜に稲妻が荒れ狂う!
大半の大人達は吹飛んでしまう!
(あれ?手加減したつもりだったんだけど?)
思いの外効果がありすぎたようである。
「まずは一回戦、オリの勝ち、な!」
振り返ると、もうそこに大好きな姉の姿はなかった。
「あぁあ、行っちまったかぁ」
……逃がすな……
……追え……
ヨロヨロと立ち上がる大人達。
「ははっ!追え?だって?メンツ丸つぶれ?」
……子供と思い、手加減を……
……みせしめに……
「さて、おじさん達、第二回戦始めようか!なんか負ける気しないんだよね!こいよ!このナマハゲ一族の面汚しども!」
とは言っても今の攻撃で残った者達だ、ベニトラは強敵認定し、本気で立ち向かうことにした。
「さて、よくもオリの大切なねぇちゃんに弓を引いたな?よくもオリの大好きなねぇちゃんを傷つけたなぁ!」
ベイトラは本気モードに移行する!
体は小さいままだが、ビキビキと筋肉が軋み、眼が赤く光り出す!
逞しい犬歯が更に太くなり、髪がウネウネと動き銀色に変わる。
しかし、それは周りの大人達も同じであった。
……小賢しい……
……大人に刃向かうとは……
「刃向かう?ちいせぇなぁ?大人の力量ってヤツは持ち合せていないのかい?」
犬歯をむき出しに、笑って見せるベイトラ。
その笑みの凄味に、一瞬大人達は怯む。
「戦士ベニトラ!参る!」
次回サブタイトルは 第七十話 番外篇 北からの訪問者 エピローグ の予定です。
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