第六六話 番外篇 北からの訪問者 前編
今晩は。
投稿です。
世界がひっくり返り、異世界からの侵略が始まった。
ある者は異世界からの強制憑依に魔獣と化し、ある者はその魔獣から家族を、友人を、大切な人々守ろうと力を欲し、自ら進んで人外の者になった。
迫り来る異形の者達。
最初に狙われるのは子供達だ。
捕獲しやすく、抵抗も少ない。
奴らにとっては極上のエサである。
そこは小さな保育園。
子供を庇う保育士さん。
それを引き裂くゴブリン達。
初老のバスの運転手はサスマタで抵抗したが、さして意味がなかった。
侵略者達は、圧倒的に戦い慣れていた。
目の前の暴力に、為す術は無く倒れていく人々。
そこは無法、非情、無情である。
誰も、何も守ってはくれない世界だ。
その中で、ある子供が祈った。
……ナマハゲしゃん、もう悪いことはしないから、たしゅけてくだしゃい……
その祈りは、産土のナマハゲに届いた。
倒れた初老の運転手がムクリ、と立ち上がる。
振り向いた顔は、鬼の顔だった。
驚く子供達!中には泣き出す子も!
……ひーん……
……わーんっ!……
……こえーよー……
ゴブリンより怖いのだ!
……そう怖がるなよ……君達は、悪い子ではないだろう?……
大好きな子供達に泣かれて、ショックの運転手さん。
そして園内のゴブリンどもを駆逐し始める!
……ごらああああっ!この人喰いどもっ!ゆるさんっ!……
しかし数が多い!
そこで女の子は本棚から、絵本を取り出した。
それは年長さん用の怖い本。
普段、読みたくもない、触りたくもない本なのだが、今は違った。
女の子は本を抱きしめ祈った。
……雪のおねえしゃん、きれいなおねぇしゃん!アイツらをやっつけて!……
ナマハゲが助けに来てくれたなら、きっと来てくれる!
女の子は確信を持って祈る。
……氷漬けにして!……
その祈りはお山の霊気を動かした。
いや、元々動きたかったのかもしれない。
異世界からの侵略が許せないのだ。
室内の温度が一気に下がり、倒れた保育園の先生達がムクムクと立ち上がり始めた。
髪は白くなり、その目は赤く輝く。
北の国にナマハゲの一族と、雪の一族が生れた。
異世界から侵略してくるゴブリンや異形の者達を一掃する、強力な一族だ。
雪の女と雪の男はとても強く、氷の魔法を使い、次々に異形の侵略者を退治していく。
侵略者を叩き潰す一族は、他にも現れた。
土偶一族である。
見た目はまさに土偶である。
種類はそれぞれで、大きさは1m程か。
その日、無数の土偶が大地から現れ、北の民を守り、異世界からの侵略者と戦った。
さらに月日は流れる。
ナマハゲの一族に一人の女の子がいた。
背の高い一族なのだが、その子は月日が流れても小さいままだった。
平均2m程のナマハゲ一族に、150㎝ないのだ。
次に生れた男の子も小さかった。
この子も姉同様である。
祖母が雪の一族の雪女だったので、その影響か?と思ったが、このお婆ちゃん、若かりし頃は170㎝は優にあったらしい。
姿勢良く歩く姿は幾つになっても変わらずで、年齢よりかなり若く見えるその姿は、二人の孫の自慢であった。
……ばぁちゃん、モデルしゃんみたい……←姉
……ばぁちゃん、ちちでかい!……←弟
……ボコッ!……←姉に叩かれた音。
その祖母が亡くなってから、長女の様子がおかしくなった。
長女の名前はティブイ、弟の名前はベニトラという。
次回サブタイトルは 第六七話 番外篇 北からの訪問者 中編 です。
毎回ご愛読ありがとうございます。
地震後、色々と忙しく投稿は不定期になります。




