第四八話 因幡の白ウサギ2
今晩は。投稿です。
少し遅れました。
ポタッ。
ポタ、ポタッ。
再び落ちてくるポタポタ。
今度は……涙である。
「……もう、もうもうっ!」
怒らないでくれぇ、白鳥さんに怒られると堪える。
悲しくなる。
「そんな顔してもダメだからね!」
あ、本気で怒っている。
でもどんな顔すれば?
いや、俺って今どんな顔?
(なんでこんなに無理するの?鳥庭くん!)
キィ、とドアが開き、オトネ達が入って来る。
「ぬしん顔は今、酷か顔たい」
「ひゃい?」
歯がないせいか、声が、いや発音がうまくできない。
「無理して喋らんでよ……か?」
ここで白鳥さんの怒号一発!
「とりにわくんっ!あなたって人は!いったいどれだけ皆に心配をっ!」
「いや……しょの……」
ああ、発音がおかしい。
「心配したんだよっ!もう!こんなになるまで力を使って!」
「しいません」
「白鳥さん、そぎゃん怒んなすな、トリはいつも全力たい」
「でも!」
「こっからは、トリに力ばあんま使わせんごつ、おっどんががまださんと」
「!……そう、そうね……ごめんなさい、鳥庭くん……」
……で、俺は今どんな状態?
満岡と鈴木さんが俺の横に付く。
「トリ、じっとしていろ」
「今の鳥庭くんは危険な状態なの」
「え?」
「魔力が殆ど無い状態、と言えば分かるか?」
なんじゃそりゃ?
「あのね、鳥庭くん」
鈴木さんが優しく語りかける。
「髪の毛や歯、爪は魔力の象徴なの」
「欲望や煩悩の象徴と言ってもよか」
じゃ、今の俺の状態は?
「今のトリは全身脱毛状態たい、髪の毛眉毛、睫、全てなか、そして歯もボロボロ、爪も抜け落ちたとよ」
うわぁ……なんだよそれ。
「因幡の白ウサギ状態たい」
「回復するまで安静よ、ドライアドの加護がまたあるとは限らないし」
「これ以上魔力を使うと、前回みたいに体が砕けていくわ」
鈴木さん、脅さないで!
……え?じゃ今俺、スキンヘッドの眉無しエルフ?
凄く怖いんじゃ?
そっ、と鏡を手に取る白鳥さん。
そこに映る俺。
「……こわっ!」
我ながら怖い風貌である。
眉毛がないと、こんなにも表情が変わるんだ。
それに尖った耳が異様だ。
そして俺は鏡を持った、白鳥さんに眼を移す。
あ、もの凄く悲しい顔をしている。
……ああ、また白鳥さんを悲しませてしまった。
「トリ、召喚魔法ば使う時は注意せんと命ば取らるっぞ」
「……わかった」
どうやら召喚魔法は相当な力を使うらしい。
……反省である。
次回サブタイトルは未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




