第四六話 テンション上がる白鳥さん
こんにちは。
15時、お茶の時間です。
……さて、鳥庭どの、ここは我らにお任せを……
……殿は任されよ……
……その矢、輝く限り悪鬼どもを討ち続けましょうぞ……
……では蜻蛉どの……
……おう、沼津どの……
その場に留まり、大鬼どもを討ち倒す力の武人。
強いのなんの、凄まじい槍捌きである!
……ふははははっ!また沼津殿と殿かっ!……
……おおおっ!一言坂でしたなぁ、ふふっ、狂歌が聞こえてきませぬか……
……狂歌?……
……過ぎたるものが二つあり 唐の頭に……
……その歌は好かぬ、我らこそ殿の武士に相応しいと思わぬか?……
……しかり……
ゴブリン、魔獣、大鬼!一匹も通さない。
なんだあのお二方は!?
そしてナゼか速度が上がる白鳥さん。
え?無理しないで?
「……お、奥方だなんて……」
飛ぶように走る!
いや、飛んでいないか!?
「お、奥方だなんてぇ!」
さらに加速する白鳥さん。
傷口もふさがり始め、青白かった顔色が高揚し、紅に染まっていく。
士気が上がるとはこういうことか?
言葉一つでこんなになるんだ。
改めて実感、言葉は大事だ。
でも、なんで白鳥さんが奥さんに見えたのだろう?
(トリ)
お?なんだオトネか?
(距離かんたい)
距離?
あ、抱っこされているからか?
(そぎゃんじゃなか、トリと白鳥さんは寄り添うとる、そぎゃん見ゆる)
え?俺としては同級生感覚というか、いや片思いというか……違うな?
なんて言えばいいんだろう?
友達ではない、友達以上だ。
では恋人か?恋人は……微妙だな。
前世の記憶の影響か?
俺本人や白鳥さん本人の意思は?
そうなると前世の記憶は邪魔だな。
でも見た目は夫婦に見えると?
ここで白鳥さんと眼が合った。
「……」
「……」
……告白……するか……。
俺は白鳥さん、大好きだし……いや、でもフラれたらこの関係性が木っ端微塵に壊れる……ん?
ポタッ。
ポタ、ポタッ。
何かが唇に落ちた。
汗か?それとも涙か?
「ごお……」
ごお?
「ご、ご、ご、ごめんなさいっ!ヨ、ヨダレがっ!」
えええええっ!?
ヨダレなの!?
なんでヨダレ!?
汗と言っても分からなかったよ?汗でいいのでは!?
そして見えてくる城塞都市。
次回サブタイトルは 第四七話 因幡の白ウサギ の予定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




