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破滅世界の俺、エルフ。(2025.12)  作者: MAYAKO
第二章 西への旅

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第三十話 弓     

今晩は。

投稿です。


「門王さま」


「なんだ?トリよ」


「これだけの英雄というか精霊が集うということは、これから先、とんでもない敵が待っているのでは?」


 アンキロちゃんだってそうだし。


「……それはお前が確かめることだ」


 ああ、言えないくらい大事なことなんだ。


「だが、一つだけ教えてやる」


 お?


「お前の国、球州には世界でも稀な山が聳えておろう?」


「え?」


「たぶん、カルデラのあの山ばい」


「その山の、火山の力を通して外妖が侵略してきた」


「!」


「外妖の本拠地は球州ということですか?」


「……」


 門王は話さない。

 いや、話せないのであろう。

 このことは、俺達がこれから調べていかなければ、いけないことなんだ。


 でもそこまで言ったら、間違いなく本拠地は球州やん!


「オトネ、西へ向えば向うほど敵が強くなるらしい」


「そげんごたる」


「いつ出発するの?」


「今から」


「「!」」


「武器はトリくん」


「取敢えず、勇気が一つだけある」


「……はっ!なんば武者んよかこつばいいよるとか?」


「ははっ、いつ死ぬか分からない旅だよ、カッコいいセリフの一つくらい言いたいよ」


「この弓を持っていけ」


 差し出される弓と矢。

 矢筒の矢は全部で8本。

 弓はそれ程大きくない。


「矢はどんなに使っても、一晩経てば8本になる」


「え?」


「新品の矢になり、矢筒に戻る。そしてこの弓は我を滅ぼした弓だ」


「!」


「ふふっ……その弓を我に預けるとは、なんとも剛毅なお方よ……この弓を持っていけ、きっとお前の役に立つ」


「なんか怖いんですけど?」


「ああ、この弓は恐ろしくも頼もしい弓じゃ、我らが名付けることもできぬ高貴な弓、粗末にするでないぞ」


「いいんですか?そんなとんでもない弓、俺が使っても?」


「お前に渡すように言われておる」


 誰からとは聞けない。

 多分聞いてはいけない気がする。

 その弓を、目を細めて見ているアンキロちゃん。

 そんなアンキロちゃんを見ていると、弓の名が浮かんだ。


「……約束の弓……ですか?」


「!……おお、そうじゃ、これは約束の弓だ、大事にするように」


 俺は門王さまから、その約束の弓を受け取った。


「!!!!!!」


 バチッ!と静電気みたいな衝撃が全身を襲った!

 いや静電気なんてモノじゃない!

 息が止まるような熱量?力の固まり?


 これは本来、人が使っていいものではない!


 そして弓から伝わる猛々しさと高貴さ、神々しい?

 ああ、この弓の持ち主は女性だ!

 それもとんでもなく優しく、途轍もなく強い朝日のような方だ。


 誰だろう?


 そして朝日は反転し、銀色の月なる。

 闇に浮かぶ月。

 全てを影から支える月、決して表にでることがない静かなる銀色。

 ああ、この弓は月の弓でもあるんだ。

 とても静かなる月、誰もその恩恵に気づかない。

 それでもあの月は今日も空に浮かんでいるのだ。


「門王さま、たしかに約束の弓受け取りました、ありがとうございます。今より西を目指します」


「うむ、無事を祈っておるぞ、何かあったら呼べ、駆けつけようぞ!」


「この地は任せておけ、ととさまや無数の精霊が集う地だ、安心して西へ向うがよい」


「では、行って参ります」


 俺は振り返らず歩き始めた。


 ……アンキロオオオオオオオッ……


 アンキロちゃんが咆え、オトネと白鳥さんが追い掛けてきた。

 俺はなりふり構わず西へ向けて走り出した!


次回サブタイトルは 第三一話 では、皆で西へ の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。 

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