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春風  作者: はるき
1章
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8/22

セナという人間

「本当に申し訳ない」


事務所に入るなり、謝罪の言葉を聞くことになった。事務所の人に今更何を言われたところで、僕がもうアイドルになれることはない。


誰が言うまでもなく、必ずセナはアイドルの頂点に立つ。これは神様によってあらかじめプログラムされた確定事項なのだ。


セナと一緒にデビュー出来なかったというのはようはそういうことなのだ。


「ショウマの実力が足りなかったんじゃない!僕は君もデビューメンバーに相応しいと思っていたんだ……!」


「……ありがとうございました」


乾いた声が出る。今の僕にとってどんな言葉も意味がない。


「だけど、セナが言ったんだ!

ショウマはデビューメンバーに相応しくないって!」


「でも、僕は……!」



明確な意志を持ち、言葉に意味が宿り、僕の心を貫く。そこからの彼のセリフが僕の耳に届くことはなかった。


1日は24時間なのに確かにその瞬間時間がフリーズし、24時間1秒になる予感がした。

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