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春風  作者: はるき
1章
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2/22

チョコレート

……。


「セナってさ、お酒全然飲まないよね」



僕がそう切り出したのは、セナが幸せそうにチョコレートケーキを頬張る横で、セナの顔をデザートに烏龍茶を飲んでいる時だった。


「……何の話?、僕とお酒を飲みたいってこと?君の頼みなら、コンビニでお酒を買ってさ、僕と2人で部屋で一緒に飲む?」



乗り気じゃないのを1ミクロンも見せずにケロッとした顔で僕を真っ直ぐに見つめてそう言う。僕じゃなかったら、ノリノリでセナのその提案に乗ることだろう。


「……っていいながら、昨日のダンスレッスンの動画見返して、明日に備えて早く寝たいってどうせ思ってるでしょ」


「あれ、バレた?君には嘘はつけないなー、君って僕のこともメンバーのこともよく見てるよね、そういうところ好きだなー」



相手がセナじゃなかったら、大喜びしている所だろう。目の前に誰よりも視野が広い奴がいて、ニコニコできるほど、僕は愛でたい性格をしていない。


「あ、でも違うんだ、1人で過ごしたいわけじゃなくて、ただお酒の味が苦手でさ……、それに酔いやすいみたいでさ……、だからお酒の場でもあんまり飲まないんだよね」


セナはこういう奴なのだ。いや、セナを一番理解しているのは自分だと、セナが関わる奴全員がそう思っているのかもしれない。

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