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春風  作者: はるき
2章
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16/22

エピソード0.5

「春風ー!

久しぶり!!元気?お前すごいらしいじゃん」


咄嗟に反応出来なかった。だって僕は春風じゃないんだから。


「久しぶりだね!ありがとう。

今、セナっていう名前でアイドルを活動してるんだ。

どこにファンの方がいらっしゃるかわからないし、本当に申し訳ないんだけど、本名を公表してないから、セナって呼んで貰ってもいいかな」


申し訳なさそうな表情ってこんな感じでいいのかな。


だけど大丈夫だ。


だって僕は失敗するように創られていないんだから。


「セナね!周りの奴に自慢しとくわ!頑張れよ!てか、連絡先変わった?連絡先交換しようぜ」


「セナさーん!休憩時間終わりますよ!」


マネージャーさんからの声がかかる。


「悪い、撮影に戻らないと、今日は久しぶりに会えて嬉しかったよ!また会おうね」


「おお!またな」


去って行く彼の後ろ姿を見つめる。


僕は誰なんだろう。


「セナさーん。早くしないと」


焦るマネージャーさんの声が聞こえる。


「すぐ行きまーす」


駆け足で撮影所に戻る。


大丈夫だ。だって僕は失敗するようには創られていないんだから。

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