表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
つぎはぎ  作者: 妄想する紙片
2nd ストーリー
303/322

どこへ向かうのか 2

 ガタリとイスの動いた音がした。音の方へと視線を向けるとアナリズが座り込んでいた。左目が確かにルーチェをじっと見ていた。


「というと?」


 ルーチェは天井に視線を戻す。


「私たちの前で爪の男の命を奪った、黒い髪の女。ファーマエンダの資料には、マレディ、と書かれていた」


「確か、ルーチェさんが、姉さん、と呼んだ人、でしたよね」


「ええ。あの人は姉さんと同じ顔をしていた。だから、あの人を追えば、姉さんをみつけられるかもしれない。もしかしたら、何かの理由で姉さんがあのマレディという女になっているのかも。だから、私はあの女を追う」


 一気に話したルーチェは大きく息をついた。仰向けのまま話し続けていたため、息が浅くなっていた。何度か、呼吸をし落ち着きを取り戻すルーチェ。目線をアナリズへと向ける。アナリズの左目と目が合う。鋭くなっていたその目に射抜かれたルーチェ。


 ルーチェは視線を窓の外へ向ける。強い光が目に飛び込んできた。反射的に目を細めるルーチェ。


「必ずつながっている、と?」


 アナリズの言葉に、ルーチェは目を細めたまま、短く息を吐き出す。


「そんなことわかるわけない。でも、追ってみないとわからない。追った先に姉さんがいるかもしれないし、いないかもしれない……」


「でも、お姉さんを捜す、と」


 ルーチェが右手に力を込める。血色の悪かった手に赤みがさしていった。


「ずっと探してた、やっと見つかった手がかりなんだ! たとえ、違っていても私は追う!」


 握りこまれた右手から小さな音がしてきた。


「る、ルーチェさん。そ、それ以上は……」


 覆いかぶさるようにしてアナリズが手を伸ばした。その手はルーチェの右手に重なった。しかし、ルーチェはすぐに手を振り払うが、力が入らずベッドに落ちていった。


「ぐっ」


「ル、ルーチェさん!?」


 苦悶の声を上げたルーチェの顔をのぞき込んできたアナリズ。ルーチェは自分の視界に入り込んできたアナリズをにらみ返す。


「落ち着いてください! 身体に障ります!」


「誰に何と言われようと、私は姉さんを探す……」


「わかってます! 僕だって同じです! リィカトーレを見つけたいんです! だから——」


 そこまで言って、アナリズもまたルーチェの目をまっすぐ見据えてきた。左目だけでにらむ目は、ルーチェの右目をじっと捉えていた。


「協力しませんか? ルーチェさんのお姉さんとリィカトーレを見つけるのを」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ