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第16話 長老会議その3、あるいは、アンタこの子のなんなのさ

 

 「そげな世迷言を言うように育てた覚えはねえぞい」


 おババが唸った。


 「ついさっき子供を生涯かけて守ると誓ったばかりだが、早くも全部罪を被って身を滅ぼす宣言とは、なんちゅういい加減な。子供のおっ母さまはまだここに居られるだ。お前さまにその子を頼む頼むとそればっかりだったでねぇか」


 「最悪の場合ですよ。私はあの人が危ないとは思いません」


 「簡単に言うのう。確かにこの中で、あのお客人を一番良く知っとるのは、お前さまですだ。ところで、このまま連れ歩けば自分自身でこの土地を隈なく見せる事になるだが、何のつもりか一遍聞いておきてぇと常々思っとっただ」


 殿様の片方の耳が動いた。


 「……どういう意味ですか」


 「無理やり連れて来られたとは言え、ここに来て8年になるだが、いまだに家も家族も持つことを拒むお前さまこそ、オラたちを裏切らないと誰が言えるだ」


 殿様は立ち上がった。


 髪の毛が逆立って半分に千切れた片耳まで見えている。


 「あの人に話してきます。もう帰るようになんとか上手く話します」


 歩きかけてから、尻尾を握りしめられている事を思い出し、眠っているタロサを抱き上げた。


 「確かにあの人は、いつまでもここで遊んでて良い筈がないのです」


 タロサは目を覚ましておババを見つけ盛大に暴れたが、殿様に横抱きに抱きすくめられていたので、思いを叶える事もなく母の部屋を後にした。



次回は第17話「おババ、爆発する」です

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