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魔女の戯れ  作者: 42
ファンタスティックサーカス
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9/55

【4】

 当日。

 チラシの効果もあり、満員御礼の大繁盛。これには団長も超のつくご機嫌。

 目玉だからねー頼むよー。と二人の魔女へ衣装を手渡す。

 派手な衣装は如何にもルナの好みだった。借り物の衣装に着替えると、いよいよサーカスの始まり。

 大きな音楽に合わせて、次々と出し物が披露されていく。

 ジャグリングにトランポリン。綱渡りにアクロバテっく。どれも大きな歓声が湧き、観客の興奮は最高潮に。

 そして、いよいよ魔女達の出番。

 先に登場したのは、ルナとクロのペア。

 小さな黒猫の登場に、会場は困惑していた。

 え? 猫?

 何だよ猫かー。猫に芸なんかできるのか?

 そう心無い声もちらほら。

 クロは内心予想していた事に、肩を下ろす。

 それでも、やるべき事はやらなくてはと、練習通りに障害物を越え、小さな輪潜りをし、

数字当てを終えた頃には、小さな黒猫に拍手が送られえていた。こんなに賢い猫は今まで見たことがないと、勇者を讃えるように。

 最終奥義。

 火の輪潜りに差し掛かり、燃え盛る炎が現れると、観客は小さな黒猫をじっと見つめて応援していた。

 単なる動物なら、炎を怖がるのでしょう。けれど、クロは違った。

 すっと立ち上がると、火の輪を華麗に潜り抜ける。

 大きな拍手が巻き起こる。その光景を目にし、クロには達成感が湧き上がった。

「ほら、大丈夫だったんだわ。さて、ここでサプライズをするんだわ」

 その言葉に急激に嫌な予感がする。

 手品のように箱を用意し、そこにクロを抱えて入れる。そして、観客に見えるようにしっかりと鍵をかけた。

 ちょっ——え? ルナ様! 聞いてませんよ! こんな事!

 心の中で叫ぶ。

「ファンタステック! タネも仕掛けもないこの箱。なんと、この箱はこれから華麗に爆発します。でも——ご安心を。黒猫ちゃんは無傷で生還致します」

 でぇぇぇぇぇぇぇ! ちょっとーおやめください! 本当にタネも仕掛けも無いじゃ無いですかー。ルナ様ー。

「いっくよー。ナッツボンバー!」

 ルナさーまーーーー——

 大きな爆発音。

 それと同時に、花火が散り、虹色の煙が舞う。空高く打ち上げられた黒猫は、くるくると回って回ってストンと着地。

 観客の前に元気な姿を表した。

 ニャア。と鳴けば大満足。

 派手な演出と黒猫の愛らしい姿に、観客は拍手喝采を送った。

 舞台袖に戻ったクロを見たローズは、その毛がややちじれているのを見て、あんたも大変ねぇ……と慰めの言葉を送った。

 ローズの番は、もう言わずもがな盛り上がった。

 優雅に芸をこなす純白の狼は幻想的だった。ただ立っているだけで美しく。

 ローズに従うだけで拍手が巻き起こる。

 サーカスはこの上なく順調に進み、ローズが観客に礼をして袖に下がる、まさにその時。

 事件は起きた。

 そう。

 あの、桃色の狐が檻を壊して乱入してきたのだ。

 

 

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