【1】
今回の願い事は、サーカス団の団長から。昨日、麓の町に旅団は到着。けれど、ここで問題が。なんと練習中に事故。サーカスの目玉である猛獣ショーが出来なくて困ってると——。
猛獣が逃げ出した——とかじゃなくて良かったんだわ。
とまぁ、なんとかショーを成功させたい。との切実な願いに、あたし達は出演料を報酬に協力する事にした。
可愛い服も着れるし、何よりわたし達は魔法が使える。
楽勝! とか思った自分が馬鹿だったんだわ……。
「猛獣といえば、猛獣なんだわ」
「そのようね。確かに猛獣だけれど……色々まずいのではないかしら……」
見せられたのは、一匹の大きな狐。ただししっぽが三本。
大きさだけの問題じゃない。
毛色も桃色と、明らかに野生の獣ではない。
まして、尾が三本って事は、明らかに使い魔の類。
「団長ー。この子、どうやって此処に?」
「その子ね、実は。サーカスの目玉にって、此処に着いた時に貰ったんだ。それで、とても珍しい毛色だもんで、よーし! 芸を仕込むぞって思ってたんだけどね……。ははっ」
「ははっじゃねーのよ。この子、貰っちゃ駄目な類の子だからね。なんでもかんでもくれるからって、貰っちゃ駄目だからね!」
「んーでも、ほら。もうチラシ作って配っちゃったし。」
「仕事早すぎるんだわ」
頭を抱えた。
「通報した方良いんじゃないかしら。そもそも使い魔は主と一蓮托生。棄てる事は出来ない。けれど、使い魔ショップなら話は別。違法投棄かもしれないわ」
「使い魔ショップ? そんなのあるんだ」
「おーい。食いつくなーおっさん」
「主が現れなかった獣は、基本的に普通の獣に転生処置をするものだけれど。お金がかかるのよね。だから、こうゆうサークル団に擦り付けたり。野にはなったり。とまぁ——違法な事をしている所もあるのよ。普通に、違反なので、申し訳ないのだけれど通報させて頂きます。これも、義務なの」
「えー困るよー。もう明後日にはお披露目しなきゃいけないのー。もーさ、それなら代わりの猛獣連れてきてよー頼むよー」
団長に泣きつかれ、変わりの猛獣を用意する事になり、二人の魔女は頭を悩ませるのであった。




