【2】
筆記試験が終わると、杖を返され使い魔と合流する。それから、休み暇なく魔法実技試験会場へ案内される。
ここでは、指定されたお題に沿わなけらばならない。自分の得意な魔法ばかりが使えるという訳ではなく。
時間内に、正確に、正しく。
加減を間違え失敗すれば、すぐに失格となりそこで試験は終了となる。たとえ筆記が良かったとしてもだ。
肝心のお題は、毎年変わる。
どんなお題を出されても、成功させる技量が、ここでは必要になる。
緊張は続くが、筆記試験の合否を思案している時間はない。ここで気持ちを切り替えられねば、実技に影響が出かねない。
集中力が必要。
——ただ、魔法を出すだけなら誰だって出来るんだわ。肝心なのは、調整と操作。例えば、この木を切って薪を作るとする。その時、加減を間違えればこうなるんだわ。
そこには、粉々に砕かれた木屑が舞う。
——そこで、力の調整。そして、操作。すると、こうなる。
木は形の揃った薪となる。
——てか、学校で習ったから復習になるんだわ。この程度はランクⅢなら出来て当たり前。ランクが上がるにつれて、問題は難しくなりよりこの調整が必要になるんだわ。微細な操作が身につくまでは、しっかり集中して加減を間違わないように。それじゃ、ルシアン君にはもう少しレベルを上げて、この木からスプーンを作ってもらう。はい、やってみて実践あるのみなんだわ。
ルナとの会話を思い出す。
小さなスプーンを作るのはとても難しく。魔力を調整しながら木を切り、形を作っていく。不慣れなせいか、時間もかかったし歪だった。あまりにも不恰好で、すぐに燃やされた。はい次って、何度も何度もスプーン作り。それを繰り返していくうち、段々と覚えてくる。すると、時間も短く形もそれなりになっていった。やっと燃やされずに済んだスプーンは、お守りとして持参していた。
ぎゅっと拳を強く握る。
試験会場は、それぞれが別の部屋へと案内された。扉の前にくると、案内役の人から試験の内容を説明される。
魔法実技試験。その内容。
この扉の向こうは、火の海。逃げ遅れた人は三人。制限時間十分以内に全ての火を消し、三人を救助する事。都合上、生身の人ではないが、だからといって乱暴にしては救助出来たとしても減点となる。使い魔と協力は可能だ。
それでは、開始。
部屋に入ると、一面に広がる炎が目に飛び込む。




