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魔女の戯れ  作者: 42
Let's 昇級試験
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36/55

【1】

 緊張な面持ちの男が一人。

「肩の力を抜いてください」

 三歩の距離をとる声が背後から。

「大丈夫ですよ。沢山特訓したんですから」

「うぅ。胃が痛くなってきた」

 背を曲げて、胃をさする。

 

 魔法庁内、試験会場。

 ここで一年に一度、ランク昇級試験が行われる。事前に申し込みを済ませた者は、受付を済ませると、ランク毎に異なった会場へ案内される。

 試験内容は、筆記に魔法実技。ランクⅢからは、剣技が追加される。

 試験を受ける理由としては、魔法庁への就職がある。そして、魔法庁にはルールから逸脱した者を取り締まる役割もあるがゆえ、捕まえるに足る実力が必要となる。

 時には国からの要請に応じ、動く場合もある。その為、剣技が必須項目として追加された。

 魔法庁には、主にそういった物騒な任務にあたる魔法軍が存在している。危険が伴うが、報酬もその分多い。憧れる者も多いが、軍へ入る道は細く険しい。

 いつか魔法庁に。

 そう、思っていた時期があった。今となっては、甘い考えだったんだと気づく。

 恐らく、自分以外の人はそういう意気込みなのだろう。真剣な面持ちでひりつく空気感がそう思わせる。

 自分は——。

 受けてみなよ。勿体無いんだわ、それなりに実力あるんだからさっ。

 そうルナに言われたから。

 魔法局に入ってからは、自分の生活範囲外で魔法を使う事がなかった。

 ブランク期間が長く、試験に向けての特訓は学校に居た頃よりもきつかった。短時間で知識を詰め込み、魔法の練習を行う。ルナやローズは、そりゃ手厳しかった。一切の容赦はなく——。それでも、仕事の合間を縫って協力してくれた。

 別段、今の仕事であればランク昇格なんてなくても成り立つ。

 でも、魔法使いとして人の役にたつ——。

 彼女達の堂々とした背中を見て、受ける決心をした。何より、自分もそうなりたいと思ったから。


 試験は筆記から始まる。

 その間、違反防止として、各々使い魔は別室へと移動を余儀なくされる。無論、杖も預けなければならない。

 さらには、魔法により監視された空間にて答案用紙は配られる。試験管は四隅に四人。厳格な視線でもって受験者は見張られる。完全に己の実力でもって突破しなければならない試験が、今始まる。

 

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