【6】
閉会後。
打ち上げとして、会場近くの飲食店にて。
「確かに」
おつかいを頼んでいた品を受け取り、ローズはご機嫌だ。
「今日は、本当にありがとうございました。これ、お代です」
売り上げから依頼分の支払いを済ませる。
「頂戴するんだわ」
ルナは封筒からお金を取り出し、金額を確認する。
「また、困ったことがあったら力になるんだわ」
満面の笑みを向ける。
「初めての参加だったけど、熱気がすごいんだわ。あんなに沢山、本を描く人が居たんだねー。それに、色んなコスプレも見れて面白かった。ま、あの二人の人気が凄すぎてちょっとやばかったけど」
あの二人は誰?
ミシェルは何度も聞かれ、憔悴していた。途中からローズがフォローに入ってなんとか大事にはならずに済んだ。
当の双子は、秘密だよ。と微笑むものだから、更にどこの誰という人物探しに拍車がかかった。
衣装を脱ぎ、いつもの姿に戻った二人は、ローズを挟みお酒に舌鼓をうちながら、その耳元で話しかける。
「今日はお役に立てただろうか?」
「いい一日になったかい?」
うっわ。
ローズの顔が無なんだわ。
違う、そうじゃない。
との声が今にも聞こえてきそうな雰囲気だ。
「えぇ、とても。ありがとう兄さん。でも、あまり呑みすぎると、お仕事に響きますよ」
感情を消して返す。
「また、いつでも頼ってくれて構わないよ」
「心配してくれるなんて、なんて優しいんだ」
彼女の気持ちを知らずに、双子はその後もローズの隣から離れる事はなかった。
「……はは。なんか、ローズも大変なんだな」
「分かるかい? ルシアン君」
「うん……なんとなく」
無気力で食事をするローズを目の前に、ルシアンはお酒を口に運ぶ。
自分は一人っ子だから、兄弟に憧れた時期もあったけど、いるのも良し悪しなんだと思った。
「ちなみにレベル昇級試験は、あの二人も関わってくるんだわ」
「え、そうなの?」
「あの姿に騙されちゃいけないよ、ルシアン君。いざとなったら、ゴリラだから。ゴ・リ・ラ」
こっそりと小声で教えてくれる。
「えーマジかー……」
ルナがそう言うなら、きっとそうなのだろう。
「ま、頑張りな」
背中を叩く。
ルシアンとの話を切り上げたルナは、端っこの席で肩身の狭いミシェルにお酒を注ぎながら話し始めた。
こうして、宴は賑わい、惜しまれつつも終わる。
また、来年。
最後には、そう手を振って。
後日、ローズ宛に荷物が届いた。
差出人は、ミシェル。
何かしら。と、胸を躍らせ荷物を開けたローズの奇声が城に響き渡る。
ローズさんへ。
この前はありがとう。そして、沢山お話が出来て楽しかった。
これは、ほんの気持ちです。
そう添えられた手紙が舞う。
神からの贈り物。
それは、カラーで描かれた彼女の作品。そこには、ローズの推し達が描かれていた。




